大変な誰かをさりげなく包み込む
「貧困の子どもにあなたができることは?」と聞かれたら、あまりないような気がするが、地域のにぎわいをつくりたい、そこからはじかれる子をなくしたい、ということなら、自分にもできることはあるような気がする――そんな人たちの思いを集めるようにして、こども食堂は広がっていきました。
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浅田次郎さんの『母の待つ里』(新潮社)は、本の装丁とタイトルを一見すると、いかにも郷愁を誘う。けれど、そう見せておいて、実はここに描かれるのは現代人(特に都会に住む)の空虚さと、地方と都会の格差だ。
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地域に根を張り続けて
2018年、全国のこども食堂の数を初めて集計した私たちは、驚くべき数字に出会いました。「2286」。全国から寄せられた「うちの県には、今これだけこども食堂があるよ」という数を足し上げていったらその数字になったのです。
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2020年『化け者心中』で小説野性時代新人賞を受賞してデビューした蝉谷めぐ実さんは、新たな時代小説の書き手として注目を集めた。その蝉谷さんの2作目『おんなの女房』(角川書店)が早くも刊行された。
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夜空の月を見て心慰められることもあれば、冴(さ)え冴(ざ)えとした月光は孤独や狂気をはらむように感じることもある。そんな月に触発され、『竹取物語』の昔から幾多の物語が生まれてきた。今また新たな物語が誕生した。小田雅久仁さんの『残月記』(双葉社)である。
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コロナ禍で見つけた大切なこと
2021年も残りわずかとなりました。
去年は未知のウイルスに見舞われる中、初の全国一斉休校、初の緊急事態宣言と、初めてづくしの一年でした。
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夏目漱石といえば文豪である。英国留学中、神経衰弱になったとか、胃弱だったとか、妻は悪妻と言われたとかの知識はあった。けれど総じていかめしい印象だった。ところが、伊集院静さんが漱石を描いた『ミチクサ先生』上・下巻(講談社)を読んだら、そんな印象が吹き飛んでしまった。豊かな人間性が香り立ってきたのだ。
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改めて……こども食堂ってどんなところ?
本連載も残り2回となりました。これまで、こども食堂がどんなところで、コロナ前、コロナ禍においてどんな役割を果たしてきたかを、「多世代交流」「つながり」「災害」といったキーワードを通じて考えてきました。今回と次回で、改めて「こども食堂ってどんなところ?」をみなさんと共有したいと思います。
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若者にこんな思いをさせてはいけない。西加奈子さんの『夜が明ける』(新潮社)を読んで、つくづくそう感じた。ロスト・ジェネレーションの若者を描いているのだが、『漁港の肉子ちゃん』(2011年)、『サラバ!』(2014年)などで知られる西作品らしく、不思議な企(たくら)みに満ち、なおかつ心に迫る小説だ。
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