講演録

近代立憲主義と日本国憲法 早稲田大学大学院教授・長谷部恭男氏

憲法で国家権力を制限する考え方を、広い意味での立憲主義といいます。この考え方は、中世のヨーロッパにもありました。当時は、キリスト教が社会に大きな影響力を持ち、庶民から皇帝まで、皆がキリスト教の価値観に基づいて暮らしていました。ですから、政治権力も一つの考え方によって縛られていたわけです。

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気候変動に挑む世界の取り組み 「気候ネットワーク」東京事務所長・桃井貴子氏

深刻化する気候変動問題

この100年間で、地球の平均気温は約1度上昇しています。原因は、人間の活動による温室効果ガスの排出で、特に化石燃料の使用で排出される二酸化炭素(CO2)です。“たった1度”と大したことではないように思われがちですが、世界中で気候変動の影響だと考えられるような事象や異常気象が発生し、深刻さを増しています。

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地球と共生する文明の未来を考える 京都造形芸術大学教授・竹村眞一氏

日本では、地球の環境問題や気候変動が、平和と結びつけて語られることはそれほどありませんが、実は大変密接な関係があります。近年のことでいえば、2010年から2012年にかけてアラブ世界で起きた民主化運動の「アラブの春」が挙げられます。

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全ての子がスペシャル 一人ひとりに目を向ける「特別支援教育」の理念を今こそ 関西国際大学教育学部教授・中尾繁樹氏

特別支援教育の専門家として、これまで3000校以上の小・中・高等学校を訪問し、40万人以上の子供たちと会ってきました。一人ひとりが何につまずいているか、どんな接し方をしたらいいかを理解し、先生や親にアドバイスをする仕事を20年以上続けています。

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自死・自殺を仏教の視点から考える 仏教学者・佐々木閑氏

仏教には「創造主」がいません。私たちは偶然、輪廻(りんね)の世界に生まれた生物であり、全てが苦しみであるという世界で悩みながら生きる運命を背負っています。これは、生まれながらに、誰かから生きる意味を授かったわけではないということです。同時に、生きる意味を自分自身で見つけるしかないということでもあります。ですから、自分の人生が誰かにつくられたものでない以上、私たちは生きることに負い目を感じる必要はありません。生きる権利はありますが、生きる義務を負わされているわけではないのです。

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誰も自殺に追い込まれることのない社会へ――地域のつながりが命を守る NPO法人「自殺対策支援センター ライフリンク」代表・清水康之氏

自殺は亡くなり方が衝撃的であるため、最期ばかりが注目されてしまいます。しかし、特別な人が特別な問題を抱えて、突然に自らの命を絶つのではありません。NPO法人「自殺対策支援センター ライフリンク」では、自殺で亡くなった方のご遺族から聴き取り調査をして、自殺の実態について分析しています。この結果から、人が自殺に至る、追い込まれるプロセスには一定の規則性があること、自殺で亡くなった方は平均四つの問題を抱えていたことが分かりました。

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三句の法門から学ぶ 自分を磨き、幸せになるための心がけ 精神科医・名越康文氏

縁あって、私は仏教、とりわけ真言宗について学んでいます。その中で、約1500年前にまとめられ、大乗仏教の中心思想が記されている『大乗起信論』という論書に出合いました。大乗起信論には、それぞれの仕事を仏への道と心得て一生懸命にやれば、菩薩や如来になることができる、悟ることができると、高らかに宣言されています。

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核兵器全面的廃絶のために NPO法人「ガイア・イニアシアティブ」代表・野中ともよ氏

核兵器禁止条約が7月7日に国連で採択され、9月20日には、署名式が行われました。

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生み出す力の見つけ方 デザイナー、タレント・ドン小西氏

人生は山あり、谷あり。人間って大変ですよね。僕はデザイナーとして独立した当時、とにかくがむしゃらに働いていました。服を作って展示会を開くのだけれど、お金がない。

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元気なうちに家族で話して「死」「葬儀」「ご縁」のこと 浄土宗心光院住職・戸松義晴師

私たちは「死」や「死ぬ時のこと」について話をするのを「縁起でもない」と言って嫌いますね。自分がいつかは死ぬということも忘れて日々暮らしています。ですが、この世に生まれた以上、私たちは必ず死ぬのです。生老病死とは人生そのもので、そのどれか一つを否定すれば、それは人生を否定するのと同じことになる。だから「死」から目を背けることなく、しっかりと見据えて生きていく。それが仏教の考え方です。

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