講演録

一人ひとりが「志」を持ち、いろいろな「優秀さ」が並び立つ社会を 東京工業大学リベラルアーツ研究教育院長・上田紀行氏

近年、大学の学生たちの気質が変わってきました。特に感じるのは、自分は人からどう見られているのかと、周囲の評価ばかり気にする学生が増えたことです。「人から変な人だと思われたくない」「人に受け入れられたい」――そう思って、なるべく自分の個性を出さないようにするあまり、〈自分は本当はどんな人間なのか〉〈この一生で何をやりたいのか〉といった、とても大切なことを見失っているように思います。

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地球に感謝し、よりよい環境を未来につなぐ 宇宙飛行士・山崎直子氏

2010年に国際宇宙ステーション(ISS)に滞在しました。無重力に身を置いた時に意外だったのが、懐かしいような思いをしたことです。なぜなら体が浮く感覚が、胎内にいた時を思い出すからと表現する方もいます。また、私たちの体はもともと宇宙のかけら、つまり地球も私も皆、同じ元素でできているからかもしれません。宇宙とは、冒険で行く所というより、ふるさとを訪ねに行くような感じがしました。

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新たな視点で「共感力」育む社会づくりを 人類学・霊長類学者 山極壽一氏

人類は700万年前、チンパンジーと共通の祖先から分かれ、アフリカの熱帯雨林を出て、直立二足歩行となりました。200万年前に脳が大きくなり始め、7万年前に言語を持ちました。アフリカを出た人類は、ユーラシア、南北アメリカ、オーストラリアの各大陸に分布域を広げ、今、世界で78億人を超えたのです。

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『辺野古建設反対運動になぜ宗教者が取り組むのか』 日本基督教団佐敷教会 金井創牧師

現在、沖縄・名護市辺野古で米軍の新基地建設工事が進められています。私は牧師として15年前に沖縄に赴任して以来、基地建設反対運動に取り組んできました。辺野古の海に出て、船上から抗議の声を上げ続けています。それはなぜかといえば、基地建設はまさに「いのちの問題」だからです。

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人を一人にしない、つながり続ける 「大きな家族」を地域の中で NPO法人「抱樸」理事長・日本バプテスト連盟東八幡キリスト教会牧師 奥田知志氏

「抱樸(ほうぼく)」の活動は今年で33年目になります。抱樸とは、原木や荒木(樸)をそのまま抱き取るという意味です。そのような人との出会い方を大切にし、困っている人、苦しんでいる人を条件をつけずに受け入れてきました。原木はいつか、机や椅子になって人の役に立つ、楽器として人を和ませる――そう信じて、一人ひとりに寄り添ってきたのです。抱樸は、「人を信じる」ことでもあります。

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志を立てるのに遅すぎるということはない 江戸時代の“立志論”に学ぶ 往来物研究家・小泉吉永氏

あなたはなぜ学ぶのか、なぜ働くのか、なぜ信仰するのか――10秒以内に答えられますか? パッと浮かんだ言葉が、自分の現状を表していると言っていいでしょう。もし自身の「志」を即答できたなら素晴らしいことです。

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『ミャンマー近現代史から見たクーデターの背景』 平和に向けて今、できることは 上智大学教授・根本敬氏

ミャンマー近現代の歩み

現在のミャンマーの土台ができたのは、1886年から1948年のイギリスの植民地期(1942~45年の日本統治期を除く)です。この間にビルマの王朝国家が壊される一方、イギリスの人口調査によって人々の間で民族意識がアイデンティティーとして形成されました。ビルマ民族はその中でも最大の民族となり、上座部仏教を信仰し、ビルマ語を母語とし、過去の王朝国家への愛着を持つようになりました。彼らの中から独立運動が起こり、1948年にビルマ連邦として独立しました。

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Withコロナを生きぬく慈しみの実践 NPO法人「抱樸」理事長・日本バプテスト連盟東八幡キリスト教会牧師 奥田知志氏

新型コロナウイルスの国内の感染者数は、今年1月23日の時点で累計約36万人、死者は5000人を超えています。また、感染症拡大の影響による失業者は8万人に上ります。さらに、この十数年、減り続けてきた国内の自殺者数が昨年、増加に転じました。これもコロナ禍の影響と思われます。特に昨年10月の自殺者は前年比で4割増えており、深刻な状態です。

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笑い(ダジャレ)で閉塞感を打ち破る! ビジネスユーモア研究家・川堀泰史氏

経営者にとって「職場のコミュニケーション」は大きな課題です。これを「笑い」で解決しようと、体験に基づく方法を打ち出してきました。

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少年院で過ごす少年たちの心のともしびに 認定NPO法人「ロージーベル」理事長・大沼えり子氏

2001年、保護司を委嘱され、少年院を参観した時のことです。在院する少年たちの7割以上が親から虐待を受け、また2割以上の家庭が崩壊しているという現実を知りました。彼らは本来、素朴な子供たちばかりです。家庭環境に恵まれず、心に抱いてきたつらさや寂しさを非行という形で表し、「SOS」を発してきたのです。

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