寄稿(連載)

利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(86) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

政治的激変の兆候

4月28日、衆議院の3選挙区で補欠選挙が行われた。自民党の裏金問題が原因となって、唯一候補を立てることのできた島根1区で自民党が敗北し、3選挙区とも立憲民主党が全勝した。さらに、立憲民主党と野党首位を争っていた日本維新の会も、候補者を立てた東京15区と長崎3区の双方で敗北し、東京15区では小池百合子都知事が応援した乙武洋匡候補も惨敗した。日本維新の会と、小池都知事が作った都民ファーストの会は、日本におけるポピュリズムの代表的存在と目されている。

続きを読む

この連載の記事一覧

食から見た現代(5) とろとろのスナック〈前編〉 文・石井光太(作家)

「家族でレストランへ行った記憶がありません」

取材で出会った20歳の男子大学生からそう言われたことがある。レストランどころか、家族で外食をした経験が一度もないという。

続きを読む

この連載の記事一覧

利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(85) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

復活の季節

4月になり、暖かい日が増えてきた。欧米では、生命の復活と繁栄を祝うイースター(復活祭、今年は3月31日)があり、日本では桜が開花する季節がやってきて、学校では新学期が始まる。

続きを読む

この連載の記事一覧

食から見た現代(4) 「おかわり」と言えない高校生〈後編〉 文・石井光太(作家)

校舎の一階の奥にある食堂からは、午後5時を過ぎると胃袋をくすぐるような食事の匂いが漂ってくる。毎晩3名の調理師が広いキッチンに立ち、「完全自校式(校内ですべて調理する)」で給食を作っているのだ。

続きを読む

この連載の記事一覧

利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(84) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

悪事露呈の時代

自民党の政治資金パーティー裏金問題は国民の失望を招いている。衆議院に続いて、参議院でも政治倫理審査会が開催されたが、ほとんど新しい事実は明らかにならなかった。そこで、野党4党は証人喚問を要求し始めた。これは、当然だろう。

続きを読む

この連載の記事一覧

食から見た現代(3) 「おかわり」と言えない高校生〈前編〉 文・石井光太(作家)

埼玉県にある創設58年を迎えた定時制高校の給食は、あたりが暗くなった午後6時5分からはじまる。1時間目(午後5時20分~)と2時間目(午後6時35分~)の間の30分の中休みが給食の時間だ。

続きを読む

この連載の記事一覧

利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(83) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

動乱時代に入った日本政治

自民党の6派閥の中で、裏金問題によって関係者が立件された安倍派・二階派・岸田派が解散を決め、続いて森山派や谷垣グループも解散を決定した。第81回の連載で書いたように、最大の権勢を誇った安倍派の解散には、多くの人が「盛者必衰(じょうしゃひっすい)――おごれる人も久しからず」(平家物語)という思いを抱いただろう。派閥が公式に解散したからといって、実体がなくなるとは限らない。けれども、安倍晋三元首相没後に集団指導体制になっていた安倍派は結集力を失うから、往時の力を復元することは難しいと思われる。

続きを読む

この連載の記事一覧

食から見た現代(2) ココナッツとDV〈後編〉 文・石井光太(作家)

DV被害に遭った外国人女性たちは、在留資格や離婚や親権といった法律的な問題と同時に、精神的なダメージを負っていることが少なくない。そうしたハンディをいかに乗り越えていくのか。

続きを読む

この連載の記事一覧

食から見た現代(1) ココナッツとDV〈前編〉 文・石井光太(作家)

シニガン、カオマンガイ、フォー、アドボ、ガパオライス……。

続きを読む

この連載の記事一覧

利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(82) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

動乱の辰年

正月のお屠蘇(とそ)気分が、石川県で発生した震度7の能登半島地震で一気に覚めた。「明けましておめでとうございます」というあいさつに続いて、災害の心配が口にされるようになってしまった。私自身も、多くの被害を受けた七尾市などで対話型講義を行ったことがあり、出会った人々の安否を思い、暗然とした。

続きを読む

この連載の記事一覧