利害を超えて現代と向き合う

『利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割』(36) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

悪しき政治は何をもたらすか?

アメリカとイランの緊張関係は幸い戦争に突入せずにとどまっているが、今度は新型コロナウイルスによる感染症が中国から始まって世界中に拡散し、世界を震撼(しんかん)させている。日本では、国会で引き続き政権の公私混同が追求されて、政府による東京高検検事長の定年延長が法律違反ではないかという疑いも投げ掛けられている。これが、今、私たちを取り巻く現実だ。

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『利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割』(35) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

戦争の危機で始まった令和2年

本来は、令和はじめの新年にあたって平和を寿(ことほ)ぎたいところである。しかし1月3日、アメリカがイランのソレイマニ司令官をイラクで殺害したというニュースを目にして、私はお屠蘇(とそ)気分が一気に冷めてしまった。報復の応酬がエスカレートすれば、大戦争になりかねないと憂えたからである。

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『利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割』(34) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

政治における正見・正思

「桜を見る会」をめぐって首相の公私混同をはじめ次々と腐敗が明らかになり、日本政治の頽落(たいらく)が露呈しつつある。もっとも報道各社によると、内閣支持率は落ちてきているものの、まだ不支持率を上回っている。この理由は何だろうか。

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『利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割』(33) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

徳義共生主義の特色

前回(第32回)に紹介した通り、「徳義共生主義」は古くて新しい思想だ。なぜそう言えるのだろうか。

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『利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割』(32) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

新しい思想の必要性

令和になってから、良くないことが続いているように思うのは私だけだろうか。新内閣が組閣されつつあるまさにその時に、台風15号が来て千葉県に甚大な被害を与え、その傷が癒える間もなく、10月12日には記録的な大型台風19号が来て豪雨により各地に水害が生じた。

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『利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割』(31) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

新政党の登場から考える公共性の理念

首相側近が目立つ新内閣の顔ぶれには倫理性が感じられず、日韓の紛争には鎮静化する兆候がない。前回(第30回)に書いたように、社会から公共性が減退していくに従って、自由が後退し、戦争の危険がもたらされる。参院選で初めて議席を獲得した、「NHKから国民を守る党」(N国党)の出現からも、この問題が垣間見える。

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『利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割』(30) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

選挙結果をどう見るか

皆さんは先月の参院選にどのような関わり方をされただろうか。投票率は5割を切り、民主主義の空洞化や危機が報じられている。与党が改選議席の過半数を獲得して“勝利した”と報じられ、安倍首相は国民の信任を得たとして、自身が争点にしようとしていた改憲のための議論を呼び掛けた。

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『利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割』(29) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

選挙における宗教的・哲学的視座(1) 政治的倫理と道義

前回の寄稿を執筆した後も、日本外交の不調が続いている。安倍首相のイラン訪問は、アメリカとの仲裁ができずに両国の戦争の危険が高まった。日本でG20が開催されていた頃にアメリカのトランプ大統領は日米安保が不公平だと述べ、その直後には日本が知らないうちに、歴史的な米朝会談が決まって実現した。

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『利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割』(28) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

令和初の国政選挙で大事なこと

令和時代が始まって、まもなく初の国政選挙を迎える。私たちは、新時代にふさわしい政治をつくっていくことができるだろうか。

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『利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割』(27) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

令和の意味とその理想を実現する道

今月になって、新しい年号の考案者と目されていた国文学者の中西進氏が「文藝春秋」に寄稿して、事実上それを認め、令和を「『麗しき平和をもつ日本』という意味だ」と解説し、「麗しく品格を持ち、価値をおのずから万国に認められる日本になってほしいという願いが込められている」と述べたという(朝日新聞5月10日付)。そうしてみると、政権の思惑を超えて人々がこの年号を用いるために先月に私が書いた「令和」の意味は、考案者の思いそのものだったということになる。

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