インタビュー
【日本画家・山口暁子さん】人々の心を癒し、希望を与える作品を
穏やかな筆致と暈(ぼか)しや裏彩色(うらざいしき)の技法を駆使した表現が魅力の山口暁子さん。絹に描くという現代日本画では希少な技法を用い、作品制作に取り組んでいる。愛らしい少女や可憐(かれん)な草花、昆虫や小動物を描いた絵画は鑑賞者に懐かしい記憶を呼び起こし、幻想的な世界へと誘(いざな)う。本紙連載『絵画でめぐる四季』『絵画で紡ぐ物語』で読者にもおなじみの山口さんに創作への思いを聞いた。
【料理研究家・土井善晴さん】料理して食べる暮らしから家族は生まれる
一日に三度訪れる食事の時間。仕事や家事、子育てなどに追われる中で、毎日献立を考えて料理することに疲れたり、あるいは、一人暮らしをしていて、自分だけのために自炊することを面倒に感じたりすることはないだろうか。日常生活と切り離すことのできない食事について、「家庭に毎日ご馳走(ちそう)はいらない。一汁一菜でいい」と語る料理研究家の土井善晴さんに、料理とは何か、料理と向き合うコツについて聞いた。
【元バレーボール日本代表・益子直美さん】怒らない大会に学ぶ青少年育成の在り方
未来を担う青少年の育成は重要な課題だ。バレーボールの日本代表選手として活躍した益子直美さんは、「選手時代には指導の際によく怒られました。でも、その時はよい結果が出ても、自分で考えてチャレンジしようとする気持ちはなくなるんですよね」と語る。現在、「監督が怒ってはいけない大会」を主催する益子さんに、青少年育成において大事にしている心がけを聞いた。
【JVCパレスチナ事業現地代表・大澤みずほさん】即時停戦に向けて最大の関心を
昨年10月7日以降、パレスチナ・ガザ地区で暮らす人々は、イスラエル軍の侵攻を受けて、深刻な飢餓に直面している。認定NPO法人日本国際ボランティアセンター(JVC)のパレスチナ事業現地代表として、今回の紛争以前からガザ地区の子どもたちの栄養改善事業に携わる大澤みずほさんに、現地の人々の願いや和平実現の可能性、日本にいる私たちにできる支援について聞いた。
【桜美林大学准教授・谷内孝行さん】「合理的配慮」で共生社会を目指す
障害者が社会生活を送る上での障壁(バリア)を、過重な負担がない範囲で取り除く「合理的配慮」が、2024年4月から民間企業に義務付けられた。誰もが暮らしやすい世界を実現するため、私たちにはどのような取り組みが求められているのか。「障害学」が専門の谷内孝行・桜美林大学准教授に話を聞いた。
【早稲田大学社会科学総合学術院教授・山田満さん】投票が「平和な日常」をつくる
2012年に行われた第46回衆議院総選挙以降、国政選挙の投票率は60%未満の低水準で推移している。こうした状況はなぜ続くのか――。今回、選挙監視団の一員として開発途上国などに派遣された経験を持つ山田満教授(早稲田大学社会科学総合学術院)に、監視団の役割、派遣先の人々の選挙に懸ける思いを伺うとともに、政治への関心を高めるためのヒントを聞いた。
【浄土宗僧侶・西村宏堂さん】LGBTQ当事者の僧侶が説く、自分らしく生きることについて
“ハイヒールをはいたお坊さん”と呼ばれ、浄土宗僧侶、メイクアップアーティストとして活躍する西村宏堂さん。LGBTQ(性的少数者の総称)の当事者であると公言し、その経験を踏まえて、仏教精神を基に、性別、人種、宗教などの違いに関係なく皆が平等であるというメッセージを発信し続けている。西村さんに、活動の原点にある思いや、自分らしく生きるためのヒントを聞いた。
【東京大学学生・庭田杏珠さん】戦争を自分事にする「記憶の解凍」
戦後生まれが人口の9割に迫り、戦争の実態を伝えることが困難になりつつある現在、戦前の日常を写した白黒写真をカラー化する「記憶の解凍」が注目を集めている。取り組むのは、大学4年生の庭田杏珠さん。戦争体験者の「記憶の色」を再現し、今の人々が戦争と平和を捉え直すきっかけをつくる――こうした活動の原点とは何か、話を聞いた。
【早稲田大学名誉教授・石田敏郎さん】交通事故を未然に防ぐ心の余裕
今年も「秋の全国交通安全運動」(9月21~30日)が展開される。令和4年中の交通事故発生件数は30万839件で、事故による死者数は2610人に上った(内閣府「令和5年版交通安全白書」)。事故で尊い人命が奪われない社会を実現するため、ドライバーや自転車の運転者、歩行者などが路上で心がけることは何か。長年、交通心理学を研究してきた石田敏郎・早稲田大学名誉教授に聞いた。
【『永平広録』現代語訳の著者・木村清孝氏】自分なりの“よりどころ”が見つかる一冊
仏教学者の木村清孝氏の書籍『『永平広録』「上堂語・小参」全訳注』上下巻(佼成出版社)が先ごろ発刊された。『永平広録』とは鎌倉初期の禅僧で曹洞宗の開祖・道元の説法や法話を集めた語録集で、『正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)』と共に道元思想の理解に不可欠な著作といわれる。自身も曹洞宗の僧侶でありながら、長年、華厳思想を基にした東アジア仏教を研究してきた木村氏が、「念願の一つ」という道元思想の全体像を描き出した一冊。発刊を記念し、著者の木村氏に、道元との出会いや書籍に込めた思いなどを語ってもらった。