ミンダナオに吹く風

ミンダナオに吹く風(23) 先住民の村へ 写真・文 松居友(ミンダナオ子ども図書館代表)

先住民の村へ

カリナンからさらに山や深い谷を抜けて国道を行くと、深い谷を越えたあたりで車は脇道に入った。それまでのアスファルトの道とはまったく異なった、車一台通るのがやっとの山路だ。訪問者は、驚いた顔をして山々の風景を見ている。

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ミンダナオに吹く風(22) 敗戦後、日系人たちはジャングルへ逃れた 写真・文 松居友(ミンダナオ子ども図書館代表)

敗戦後、日系人たちはジャングルへ逃れた

「ミンダナオ子ども図書館」の訪問者を連れ、私たちはミンタルの日本人墓地に寄った。大きな熱帯樹の下で、慰霊碑に手を合わせて祈っていると、蝉(せみ)たちの声に交じって鳥の鳴き声が聞こえてくる。まるで、戦争で死なざるを得なかった霊たちが、祈りを捧げている私たちの姿を天から見下ろして、声を掛けてきているかのようなさえずりだ。後日、この日本人墓地では、ミンダナオ子ども図書館の若者たちが集まって、近くにある日系人会の学校の子どもたちと共に「平和の祈り」を捧げた。

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ミンダナオに吹く風(21) 日本からの移民 写真・文 松居友(ミンダナオ子ども図書館代表)

日本からの移民

日本からの訪問者たちと、ミンダナオ子ども図書館で予約をしたホテルに車で向かった。そこは、空港からそれほど遠くない居心地の良いホテルで、裏には日系人会の運営する学校が建っている。

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ミンダナオに吹く風(20) 野山を駆け回るピックアップトラック 写真・文 松居友(ミンダナオ子ども図書館代表)

野山を駆け回るピックアップトラック

ダバオ国際空港に降り立った訪問者たちは、スタッフに導かれて、「ミンダナオ子ども図書館」の所有する2台のピックアップトラックに分乗した。1台は日産のナバラ、もう1台はトヨタのハイラックス。いずれも四輪駆動車だ。

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ミンダナオに吹く風(19) ミンダナオ子ども図書館を支えるスタッフの若者たち 写真・文 松居友(ミンダナオ子ども図書館代表)

ミンダナオ子ども図書館を支えるスタッフの若者たち

ダバオ国際空港の出口から、立正佼成会の「一食(いちじき)平和基金」の担当者の方々が出て来られると、ミンダナオ子ども図書館(MCL)のスタッフのジェニーボーイ君が走り寄ってスーツケースなどを受け取って運び始めた。

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ミンダナオに吹く風(18) ミンダナオ子ども図書館の訪問者 写真・文 松居友(ミンダナオ子ども図書館代表)

ミンダナオ子ども図書館の訪問者

日本から「ゆめポッケ」が届けられるようになって数年が経った2009年、立正佼成会から「ミンダナオ子ども図書館を訪れて、『ゆめポッケ』の配付地域を見たい」という連絡が入った。その目的とするところは、将来的に、「『ゆめポッケ』を直接手渡して、紛争や対立で傷ついた世界の子どもたちに、まごころと友情の支援をすること」にあるという。すなわち、ミンダナオ子ども図書館の活動している地域が、親子で訪問するのに適正か否かを、安全性の面も含めて確認することだった。

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ミンダナオに吹く風(17) 魂がこもった「ゆめポッケ」 写真・文 松居友(ミンダナオ子ども図書館代表)

魂がこもった「ゆめポッケ」

「ミンダナオ子ども図書館」では、すでに10年以上、立正佼成会の子どもたちから送られてくる「ゆめポッケ」を、戦闘の起こる地域のイスラーム教徒や極貧の先住民の子どもたちに届け続けてきた。戦争で親を失った子や、貧困で学用品を買えない子たちにとって「ゆめポッケ」は、物資支援のなかでも心から喜ばれる贈り物だ。それは、受け取った子どもたちの喜び方と笑顔から分かる。

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ミンダナオに吹く風(16) 和平に向けて団結し始めた人々 写真・文 松居友(ミンダナオ子ども図書館代表)

和平に向けて団結し始めた人々

「ミンダナオ島にIS(イスラーム国)が侵入してきている」という情報は、すでにマラウィの戦争が勃発する3年ぐらい前に、ミンダナオ和平国際監視団のメンバーを通じて耳にしていた。ISが勢力を拡大していった結果が今回のマラウィの戦争であり、短期間に市の建物が徹底的に破壊された。多くの避難民がいまだに家に帰れないのは、悲しいことだ。

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ミンダナオに吹く風(15) 遠く離れたマラウィの戦争 写真・文 松居友(ミンダナオ子ども図書館代表)

遠く離れたマラウィの戦争

奨学生たちが暮らす私たちの「ミンダナオ子ども図書館」はフィリピン・ミンダナオ島の中央に位置するアポ山麓の町キダパワンにあり、そこからマラウィ市までは、支援物資を積んだトラックだと13時間もかかる。ミンダナオ子ども図書館を出発して縦断し、北の海辺の町カガヤンデオロを通ってさらに走って内陸に向かい、イリガンを抜けてようやくたどり着く。マラウィは湖畔の街だ。

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ミンダナオに吹く風(14) グラウンド・ゼロの少女 写真・文 松居友(ミンダナオ子ども図書館代表)

グラウンド・ゼロの少女

フィリピン・マラウィ市にほど近い、ドームの下につくられた避難民キャンプ。屋根はあるものの、コンクリートの床の上にシートで区切られた家族の居場所は、イリガン市のキャンプに比べると格段に小さい。3畳ぐらいのスペースに親子が6人で寝ていたりする。しかし、それでも子どもたちは中から飛び出してきて、みんなで一緒に遊んだり、掃除や料理を手伝ったりしている。そんな子どもたちの様子を見ながら、案内してくださっている福祉局の職員の方がこう言った。

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