ミンダナオに吹く風

ミンダナオに吹く風(9) 写真・文 松居友(ミンダナオ子ども図書館代表)

ミンダナオで繰り返されてきた戦争に関しては、日本ではほとんど報道されなかった。理由は分からないが、毎年2カ月間、ミンダナオ子ども図書館の活動報告会で日本を訪れても、現地で起こっていることを知っている人はほとんどいなかった。

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ミンダナオに吹く風(8) 写真・文 松居友(ミンダナオ子ども図書館代表)

戦争で山や湿原から逃げてきた人々は、町の近くの国道や市道沿いのわずかな空き地や道端に、切ってきた木の枝を柱にして避難小屋を作っていた。ヤシの葉を編んだものを葺(ふ)いて、床には同じようなヤシの葉を編んだものや、ヤシの葉そのものをそのまま敷いていた。

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ミンダナオに吹く風(7) 写真・文 松居友(ミンダナオ子ども図書館代表)

戦争とNGO

東ティモールの独立に伴う騒乱は、ミンダナオ紛争が拡大した時期と重なる1999年のことだ。ぼくは偶然、120万を超す戦争避難民のいる北コタバト州のピキット、リグアサン湿原地域に、バリエス司教に誘われて足を運び、それがきっかけで、避難民救済支援活動を開始して、ミンダナオ子ども図書館を創設するにいたった。

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ミンダナオに吹く風(6) 写真・文 松居友(ミンダナオ子ども図書館代表)

大国に独占される利権

2000年に、「バリカタン」と呼ばれるフィリピン政府軍とアメリカ軍の合同演習という名の実戦が行われ、120万を超える避難民が出た。その後、その避難民たちがまだ厳しい避難生活をしているというのに、2003年に「テロリスト掃討作戦」と呼ばれる、実際にはアメリカ軍主導による戦争が行われた。これは世界中で大きな惨事が起きた(起こされた?)時期と重なっている。

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ミンダナオに吹く風(5) 写真・文 松居友(ミンダナオ子ども図書館代表)

ムスリムの自治をめぐって

ミンダナオにおける近年の紛争の歴史を簡単に振り返ってみたい。

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ミンダナオに吹く風(4) 写真・文 松居友(ミンダナオ子ども図書館代表)

ミンダナオで起きている三つの戦闘

2001年に「ミンダナオ子ども図書館」を創設してから、15年以上活動を続けてきた間に、イスラム地域だけではなく、それ以外の山岳地域でも幾たびも戦闘が起こった。戦闘が勃発して避難民が出ているという情報が入るたびに、罪の無い子どもたちのことを放っておけずに救済活動をしてきた経験から、現地で起こる戦闘には3種類あることが分かってきた。

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ミンダナオに吹く風(3) 写真・文 松居友(ミンダナオ子ども図書館代表)

鳴り響く銃声 そして、かなたに上る煙

今でこそかなり穏やかになったものの、ミンダナオ子ども図書館の活動を始めた2000年以降の10年間は、3年おきぐらいに起こる大きな戦争で、避難民が続発した。それ以外にも毎年のように「リドー」と呼ばれる地域紛争が勃発し、若者たちと一緒に避難民救済に駆け回った。

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ミンダナオに吹く風(2) 写真・文 松居友(ミンダナオ子ども図書館代表)

「あなたは、どこのNGOに?」

初めてミンダナオに足を踏み入れたときは、貧しくても、孤児になっても明るさを失わず、生き生きとしている子どもたちの様子に感動した。ミンダナオの子どもたちは、手を振ると必ず笑顔で応えてくれるし、なかには駆けよってきて手をつなごうとする子も多い。

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ミンダナオに吹く風(1) 写真・文 松居友(ミンダナオ子ども図書館代表)

天から落ちてくるように浮かんだ思い

フィリピン・ミンダナオ島にミンダナオ子ども図書館を2003年に立ちあげてから10年以上、訪問者を受け入れなかった最大の理由は、図書館のある北コタバト州が、日本政府の指定する高度な危険地域に属しているからだ。自分のことならまだしも、訪問者に、もしものことがあったらと考えると、とても面倒を見切れないと考えたからでもある。

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