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内藤麻里子の文芸観察(69)

阿部智里さんの『皇后の碧(みどり)』(新潮社)は、これぞ令和に送り出すにふさわしいと言いたくなるようなファンタジー小説である。アニメにもなった和風大河ファンタジー「八咫烏(やたがらす)」シリーズで知られる著者の、新たな挑戦だ。

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楽生(らくいき)~楽に生きるを極めるヒント~(3) 文・日本笑いヨガ協会代表 高田佳子

モヤモヤを消す魔法 ①手を動かし、心を整える

動物にも人間にも、本来備わっている秘めた力がありますが、私たちは自分の思い込みでその力に制限をかけ、人生もったいないことをしている、というのが前回までのお話でした。

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内藤麻里子の文芸観察(68)

「ブレイクショット」とは、ビリヤードで最初に打つショットのこと。逢坂冬馬さんの『ブレイクショットの軌跡』(早川書房)は、そのショットと同じ名を持つ1台のSUV車が世に放たれ、ビリヤードでボールが飛び散るがごとくあちこちに移動し、それと共に物語が波及していく。現代の闇をさまよう群像が描かれるのだが、もうダメなのかと思った時、かすかな希望が立ち現れる。それはごく簡単なこと、「善良」を取り戻せばいいのだと教えてくれる。静かに胸を打つ会心作と言えよう。

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楽生(らくいき)~楽に生きるを極めるヒント~(2) 文・日本笑いヨガ協会代表 高田佳子

サーカスの象

赤ちゃんはみんな天才で、立ち上がるとき、歩くとき、失敗を恐れず何度でも挑戦し、成長していきます。

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内藤麻里子の文芸観察(67)

いまどきはやりの、キャラクターが立った軽妙なお仕事小説かと思ったら、まったくそんなことはなかった。城戸川(きどかわ)りょうさんの『高宮麻綾(まあや)の引継書』(文藝春秋)は、最初こそ、その雰囲気を漂わせるが、あくの強い主人公が仕事と格闘する姿を描く、かなり本格派のビジネス小説だった。それにポップな衣を着せて、現代が放つビジネス小説と言えよう。うれしい誤算に満ちた快作だ。

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楽生(らくいき)~楽に生きるを極めるヒント~(1) 文・日本笑いヨガ協会代表 高田佳子

赤ちゃんはみんな天才

赤ちゃんがやってきた日を、覚えていますか? 新しい家族となった赤ちゃんに初めて会った日のことです。

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内藤麻里子の文芸観察(66)

昨今の小説は派手なアイデアや、特異なキャラクターで読ませる作品が注目されがちだが、平岡陽明さんの『マイ・グレート・ファーザー』(文藝春秋)は、それらとは一線を画す。ファンタジー仕立てであるが、人生の岐路に立った男の姿を静かに、実直に描き、驚くほどじわじわと心にしみてくる。そっと自分の中に取っておきたいような小説だ。

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楽生(らくいき)~楽に生きるを極めるヒント~ プロローグ 文・日本笑いヨガ協会代表 高田佳子

喜怒哀楽のすべてが大切

人間には喜怒哀楽という感情が備わっています。これらは自然からの贈り物であり、私たちにとって大切なものです。ネガティブな感情も含めて喜怒哀楽を味わって生きることは、心の豊かさを育む源になります。一方で、感情に振り回されてしまうと、ストレスが増え、心も体も疲れてしまいます。

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内藤麻里子の文芸観察(65)

今年は戦後80年、そこでこんな本を選んでみた。伊吹亜門さんの『路地裏の二・二六』(PHP研究所)は、結果的に陸軍の発言力を強めた二・二六事件を題材にして、その裏で起きていたもう一つの事件を虚実ない交ぜにして描いてみせた歴史ミステリーだ。

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内藤麻里子の文芸観察(64)

三浦しをんさんの『ゆびさきに魔法』(文藝春秋)は、爪を美しく彩るネイリストを題材にしている。『神去なあなあ日常』『舟を編む』など、秀逸なお仕事小説を手がけた作家による、新たな充実のお仕事小説だ。

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