ライフ

内藤麻里子の文芸観察(80)

凪良(なぎら)ゆうさんの『多類婚姻譚』(講談社)は、結婚をめぐる関係性を通して、現代社会を生きる多難さが浮き彫りになる短編集だ。結婚間際のカップルもいれば、結婚という形にとらわれない登場人物もいる。解像度高く現代人を見つめている。

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リレーエッセイ「声なき“生きづらさ”に寄り添う」1-(3)(認定NPO法人ロージーベル代表 大沼えり子)

子どもたちの「家」――たったひとつの笑顔のために
認定NPO法人ロージーベル理事長 大沼えり子

「ひと掬(すく)いの水」
私のこの手はこんなに小さいけれど
救い取った水を 君上げる

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内藤麻里子の文芸観察(79)

天沢時生さんの『キックス』(集英社)は、亡き友への哀歌を謳(うた)いあげる、企(たくら)みに満ちたとびきり奇想の小説だ。哀歌を彩るのはキックス(これはスニーカーのスラングだそうだ)と、ヤンキーの抗争と、太平洋戦争だ。それらを言葉(物語)の贋作(がんさく)でくるみ込んでいるのである。何のことやらとお思いだろう。順を追って説明しよう。

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リレーエッセイ「声なき“生きづらさ”に寄り添う」1-(2)(認定NPO法人ロージーベル代表 大沼えり子)

「少年院DJ」――君たちは一人じゃない
認定NPO法人ロージーベル理事長 大沼えり子

「誕生日」
一年で一番嫌いな日。
それが誕生日。

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内藤麻里子の文芸観察(78)

独自の世界観で歌舞伎を描いた『化け者心中』(2020年刊)、『おんなの女房』(22年刊)などで注目されてきた蝉谷めぐ実さんが、新機軸に挑んだ。それが『見えるか保己一(ほきいち)』(KADOKAWA)である。江戸時代後期、古今の貴重な文献を集めて分類、収録した国内最大の叢書(そうしょ)『群書類従』を編纂(へんさん)した全盲の国学者、塙保己一を題材にして、また独特な世界を現出させた。その書きっぷりに心底驚き、魅了された。

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リレーエッセイ「声なき“生きづらさ”に寄り添う」1-(1)(認定NPO法人ロージーベル代表 大沼えり子)

「生きづらさ」への理解と優しさの扉
認定NPO法人ロージーベル理事長 大沼えり子

うまれてきて ごめんなさい
おかあさん
ぼく
うまれてきてごめんなさい
おかあさん
ぼくは いらないんだね

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内藤麻里子の文芸観察(77)

高田大介さんの『エディシオン・クリティーク』(文藝春秋)は、文献をめぐる知的探求ミステリーの興奮と、元夫婦の関係を高尚に、しかもコミカルに描く面白さが詰まった異色作だ。

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楽生(らくいき)~楽に生きるを極めるヒント~(11) 最終回 文・日本笑いヨガ協会代表 高田佳子

「ごきげん」を選択する人生

この連載「楽生~楽に生きるを極めるヒント~」の初回で、「喜怒哀楽のすべてが大切」とお伝えし、感情を大切に、楽に生きるためのヒントを笑いの体操とともに紹介してきました。そして、いよいよ今回が最終回となります。

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内藤麻里子の文芸観察(76)

『のぼうの城』(2007年)、『村上海賊の娘』(2013年)など、寡作ながら出れば話題になる和田竜(りょう)さんの12年ぶりの新作は『最後の一色』上・下巻(小学館)だ。室町時代から200年近く丹後守護を務めてきた一色家の最後を描いた作品だが、こんな戦国小説、読んだことがない。時間をかけて丁寧に構築された世界で武将たちが躍動し、意外性と情け深さに翻弄(ほんろう)される。

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楽生(らくいき)~楽に生きるを極めるヒント~(10) 文・日本笑いヨガ協会代表 高田佳子

ローマは一日にして成らず

私たちがよく知ることわざに「ローマは一日にして成らず」というものがあります。壮麗なローマ帝国も、まちの制度や整備は一朝一夕にはいかず、長い年月をかけて形づくられているという意味です。

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