ライフ

内藤麻里子の文芸観察(84)

奇想の中に、現代世界の権力構造を突きつける異色作が白石一文さんの『とめどなくちいさき人へ』(祥伝社)だ。これを書いたのは作家の怒りか、絶望か。そして私たちは、これに何を思うのかが大切なのだと思う。

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リレーエッセイ「声なき“生きづらさ”に寄り添う」3-(1)(映画監督 今村彩子)

「勇気を出して声にしたら」
映画監督 今村彩子

3歳のきこえる息子がいるわたしは毎日、保育園の送迎をしています。
ある朝、園の前に親子たちの塊(かたまり)が見えました。わたしが片手を上げると、女の子が両手の人差し指を曲げました。「こんにちは」という手話です。以前、絵本でその手話を見て、覚えたのだそうです。わたしも、とびっきりの笑顔で両手の人差し指を曲げました。

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終わりを思い、今を生きる (1) 写真・文 浦上哲也 

誰にでも、いつか必ず訪れるのが「死」です。日頃は意識せずに過ごしがちですが、その存在を思うとき、私たちの心は不思議と「今」に向かいます。その際、あなたが手放すもの、大切にするものは何でしょうか。ワークショップ「死の体験旅行」を主宰する浦上哲也師と一緒に、立ち止まってじっくりと考えてみませんか。

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内藤麻里子の文芸観察(83)

稀代の人気作家、東野圭吾さんが亡くなった。訃報に接した時は愕然(がくぜん)とした。その直後の8月5日、最新刊『永遠の記憶』(文藝春秋)が発売になった。ドラマ化、映画化された人気シリーズ「ガリレオ」の“最後の謎”と銘打たれている。

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リレーエッセイ「声なき“生きづらさ”に寄り添う」2-(3)(区特別支援教育アドバイザー 櫻岡章雄)

複眼的視点と心のアンテナ
区特別支援教育アドバイザー 櫻岡章雄

昔、私のクラスには“元気の良い生徒”ばかり集まっていると思っていました。いじめ、器物損壊、けんか。男子の半数はいろいろなことをしてくれたものです。ある時、生徒から、「先生が怖いからやっちゃうんだ」と言われ、ハッとしました。<いろいろなことをする子どもばかりが集まっているのではなく、そうさせてしまう担任の私の姿勢に問題があるのではないか……>と気づいたのです。

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内藤麻里子の文芸観察(82)

吉田修一さんの『タイム・アフター・タイム』(幻冬舎)は、泣きたくなるような青春恋愛小説であり、まっとうに生きている人間の姿を描く。繊細に紡がれてゆく彼らの物語はあまりにもいとおしくて、まるで作者から宝物をもらったような気分になった。

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リレーエッセイ「声なき“生きづらさ”に寄り添う」2-(2)(区特別支援教育アドバイザー 櫻岡章雄)

子どもの心に空いた穴を埋める
区特別支援教育アドバイザー 櫻岡章雄

私が中学校の担任をしていた時、二者面談の最後にB君の保護者がポツリと言いました。「うちの子が何か変で。夜、逆さまに寝るんです。私の頭の方に足を向け、足の方に彼の頭があって、気味が悪くて……。どうしたらいいでしょうか?」。私は「そうですか。少し様子を見ましょう」と応えて帰って頂いたものの、何をしたらいいか分かりませんでした。

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内藤麻里子の文芸観察(81)

「家族」と聞いて、あなたが思い浮かべるのはどんな家族だろう。親がいて子がいて、親は子を育て、躾(しつ)け、叱り、食事を共にし、団欒(だんらん)する。もしこう考えたなら、かなり時代遅れといえる。今は“超「個」の時代”だ。食事は孤食だし、親は自分が大事だから、自分が楽しくない躾(しつけ)なんかしない。それを学校に期待するなど、子育てのアウトソーシングが進んでいる。そんな現代の家族の実態を、私は『ぼっちな食卓―限界家族と「個」の風景』(岩村暢子著・2023年刊)で知った。今回紹介する武田綾乃さんの『ここはこどものいない国』(講談社)は、この現代の家族が行き着く、あり得べき未来を見事に描き出している。

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リレーエッセイ「声なき“生きづらさ”に寄り添う」2-(1)(区特別支援教育アドバイザー 櫻岡章雄)

言葉はなくとも「心」はある
区特別支援教育アドバイザー 櫻岡章雄

私は中学校で社会科の教員を23年間、管理職を20年間務めました。教員生活では生活指導を担当して生徒を厳しく指導していました。当時は子どものためと思って一生懸命に向き合っていたつもりでしたが、今思うと恥ずかしいことばかりしていたような気がします。

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内藤麻里子の文芸観察(80)

凪良(なぎら)ゆうさんの『多類婚姻譚』(講談社)は、結婚をめぐる関係性を通して、現代社会を生きる多難さが浮き彫りになる短編集だ。結婚間際のカップルもいれば、結婚という形にとらわれない登場人物もいる。解像度高く現代人を見つめている。

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