現代を見つめて

『現代を見つめて』(25) 文・石井光太(作家)

進む「個室化」の背景

二〇一八年四月、新年度が始まって早々、脱獄のニュースが世間を騒がせた。

愛媛県今治市にある刑務所施設から 窃盗罪などで服役中の二十代の受刑者が隙を見て逃げ、二十二日間にわたって離島などに潜伏した末に、広島市内で逮捕されたのである。

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『現代を見つめて』(24) 文・石井光太(作家)

過ちをくり返さないために

昨年、我が家の隣町――といっても徒歩十分ほど――で、ちょっとしたパニックが起きた。

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『現代を見つめて』(23) 文・石井光太(作家)

遺族の傍らに寄り添う

東日本大震災から七年が経った。毎年この季節になると、メディアはあの日の悲しみをふり返り、懸命に生きていく被災者の姿を映し出す。

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『現代を見つめて』(22) 文・石井光太(作家)

平和への願いをつないで

「ダークツーリズム」という言葉がある。戦争の跡地など、人類の負の遺産を巡る観光のことだ。

日本で最も有名なのは、「原爆ドーム」だろう。一九四五年八月六日、ほぼ真上で原爆が炸裂(さくれつ)し、爆風と熱線で外壁だけがかろうじて残った建物だ。一九九二年にユネスコの世界遺産となっている。

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『現代を見つめて』(21) 文・石井光太(作家)

相手を思い、どう伝えるか

二〇一七年の流行語大賞は「忖度(そんたく)」だった。人の気持ちを推し量る、という意味だ。

この言葉の意味を考えながら新年を迎えて間もなく、メディアでこんな言葉を見かけることが増えた。

『学校へ行きたくなかったら、行かなくていいんだよ。行かない自由だってあるんだ』

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『現代を見つめて』(20) 文・石井光太(作家)

希望のクリスマス 人々の祈り

クリスマスが近づくと、十二月の街に温かさを感じるようになる。

二十代の頃、私はもっぱら海外ルポの取材で年末年始を開発途上国で過ごすことが多かった。クリスマスにホテルに閉じこもっているのも何なので、夜になると一人で外を散歩したものだ。

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『現代を見つめて』(19) 文・石井光太(作家)

それぞれの個性を認め合う社会に

私は仕事が大好きだ。ほとんど三百六十五日、仕事に向き合っている。そのため、家事や育児の一切は専業主婦である妻に任せっぱなしだ。

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『現代を見つめて』(18) 文・石井光太(作家)

自分を定義づける概念

同性愛や性同一性障害など性的マイノリティーについての理解が、ここ十年ほどでだいぶ広まった。

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『現代を見つめて』(17) 文・石井光太(作家)

「想定外」な行動の奥に

日本の火災における死亡者は年間千人ほど。そのうちの七割が、六十五歳以上の高齢者である。

どの自治体も一人暮らしの高齢者への見守りに力を入れている。孤独死だけでなく、火災が起きた場合、近隣住民にまで被害が出るためだ。

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『現代を見つめて』(16) 文・石井光太(作家)

心に届く一枚の手作りクッキー

全国の自治体の多くで、敬老の日に高齢者に対して祝い金を送る制度がある。だが、近年、自治体の財政難からそれを中止することが相次いでいるそうだ。

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