インタビュー

【桜美林大学准教授・谷内孝行さん】「合理的配慮」で共生社会を目指す

障害者が社会生活を送る上での障壁(バリア)を、過重な負担がない範囲で取り除く「合理的配慮」が、2024年4月から民間企業に義務付けられた。誰もが暮らしやすい世界を実現するため、私たちにはどのような取り組みが求められているのか。「障害学」が専門の谷内孝行・桜美林大学准教授に話を聞いた。

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【早稲田大学社会科学総合学術院教授・山田満さん】投票が「平和な日常」をつくる

2012年に行われた第46回衆議院総選挙以降、国政選挙の投票率は60%未満の低水準で推移している。こうした状況はなぜ続くのか――。今回、選挙監視団の一員として開発途上国などに派遣された経験を持つ山田満教授(早稲田大学社会科学総合学術院)に、監視団の役割、派遣先の人々の選挙に懸ける思いを伺うとともに、政治への関心を高めるためのヒントを聞いた。

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【浄土宗僧侶・西村宏堂さん】LGBTQ当事者の僧侶が説く、自分らしく生きることについて

“ハイヒールをはいたお坊さん”と呼ばれ、浄土宗僧侶、メイクアップアーティストとして活躍する西村宏堂さん。LGBTQ(性的少数者の総称)の当事者であると公言し、その経験を踏まえて、仏教精神を基に、性別、人種、宗教などの違いに関係なく皆が平等であるというメッセージを発信し続けている。西村さんに、活動の原点にある思いや、自分らしく生きるためのヒントを聞いた。

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【東京大学学生・庭田杏珠さん】戦争を自分事にする「記憶の解凍」

戦後生まれが人口の9割に迫り、戦争の実態を伝えることが困難になりつつある現在、戦前の日常を写した白黒写真をカラー化する「記憶の解凍」が注目を集めている。取り組むのは、大学4年生の庭田杏珠さん。戦争体験者の「記憶の色」を再現し、今の人々が戦争と平和を捉え直すきっかけをつくる――こうした活動の原点とは何か、話を聞いた。

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【早稲田大学名誉教授・石田敏郎さん】交通事故を未然に防ぐ心の余裕

今年も「秋の全国交通安全運動」(9月21~30日)が展開される。令和4年中の交通事故発生件数は30万839件で、事故による死者数は2610人に上った(内閣府「令和5年版交通安全白書」)。事故で尊い人命が奪われない社会を実現するため、ドライバーや自転車の運転者、歩行者などが路上で心がけることは何か。長年、交通心理学を研究してきた石田敏郎・早稲田大学名誉教授に聞いた。

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【『永平広録』現代語訳の著者・木村清孝氏】自分なりの“よりどころ”が見つかる一冊

仏教学者の木村清孝氏の書籍『『永平広録』「上堂語・小参」全訳注』上下巻(佼成出版社)が先ごろ発刊された。『永平広録』とは鎌倉初期の禅僧で曹洞宗の開祖・道元の説法や法話を集めた語録集で、『正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)』と共に道元思想の理解に不可欠な著作といわれる。自身も曹洞宗の僧侶でありながら、長年、華厳思想を基にした東アジア仏教を研究してきた木村氏が、「念願の一つ」という道元思想の全体像を描き出した一冊。発刊を記念し、著者の木村氏に、道元との出会いや書籍に込めた思いなどを語ってもらった。

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【漫画家・魚戸おさむさん】“病気を治さない医者”の物語

人生の終末期を自宅で迎えたい――。漫画『はっぴーえんど』(小学館)は、死を間近に控えた患者の願いをかなえるため在宅医の主人公・天道陽(てんどうあさひ)が奮闘する姿を描いている。この作品の著者で、日本の「在宅医療」の現場を初めて漫画にしたのが、魚戸おさむさんだ。命を見つめ、死と向き合う“異色”の漫画を通じて伝えたかったこととは何か。新緑がまぶしい季節、その思いを聞きたくて魚戸さんのアトリエを訪ねた。

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【佛心宗大叢山福厳寺住職・大愚元勝さん】仏教で“心の生活習慣”を見直す

創建540年を誇る禅寺の住職を務めながら、ユーチューバーとして活躍する大愚元勝さん。「大愚和尚の一問一答」と題した動画では、全国からメールで寄せられる悩み相談に答え、人気を博している。現代の人々はどんな悩みを抱え、仏教に何を求めているのか。大愚和尚の考えに迫った。

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【認定NPO法人難民支援協会 渉外チームマネージャー・赤阪むつみさん】難民も同じ地球に暮らす“家族” 支援の一歩は相手を知ることから

ロシアの軍事侵攻を受け、日本でもウクライナの人々を避難民として受け入れてきた。政府によるサポートはもちろん、民間レベルでも自治体や企業がさまざまな支援活動を展開している。国民の関心もかつてないほどの高まりを見せる一方で、ミャンマーやアフガニスタンなどから日本に逃れてくる人々の難民認定は依然として進まず、不安定な状況に置かれ続けていると、認定NPO法人難民支援協会(JAR)の赤阪むつみ渉外チームマネージャーは言う。さらに、3月7日には、難民申請中でも外国人を母国に送り返せるようにする「入管難民法改正案」が国会に提出された。日本の難民制度が問われる今、改めて赤阪さんに認定制度の内容や認定率が低い背景などを聞いた。

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【認定NPO法人 難民を助ける会理事長・堀江良彰さん】侵攻から1年――世界に目を向け、興味・関心を持ち続けて

昨年2月24日にロシアがウクライナに軍事侵攻し、1年が経つ。これまでに、ウクライナ国内の市民7000人以上(国連人権高等弁務官事務所、今年2月13日発表)が犠牲になった。現在も戦闘が続く国内では、600万人(国連難民高等弁務官事務所、1月現在)が避難生活を送り、800万人が避難民として欧州連合(EU)に逃れた。ウクライナ、モルドバ、日本などで避難民の支援を行う認定NPO法人難民を助ける会(AAR Japan)の堀江良彰理事長に、現在の避難民の状況や、日本人ができる支援について聞いた。

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