法の勝利
大地から、幾筋もの煙が立ち上っていました。焦土作戦で村々が焼かれ、灰燼(かいじん)に帰したのです。街道には、護送される虜囚の列が、はるかかなたまで延びていました。
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王の時代III 覇者
なだらかな稜線(りょうせん)が、夕日に赤く染まり始めました。マガダ国の都・王舎城(おうしゃじょう)を囲む山々は険しくはありませんでしたが、樹海は深く、天然の要害になっていました。その山並みを、マガダ国王アジャータサットゥ(阿闍世=あじゃせ)は、城の執務室から、時を忘れて眺めることがよくありました。動かぬもの、変わらぬものに心が引かれていたのかもしれません。
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王の時代II 執政官
軍の動きが、慌ただしさを増していました。ヴァイシャーリー討伐のために大掛かりな準備を始めたのです。
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王の時代I 釈迦族の滅亡
全軍が布陣を終え、城の包囲は完了しました。小高い丘に置いた本陣で、ヴィドゥーダバ王は床几(しょうぎ)に腰を下ろし、原野を埋め尽くした軍勢を見つめていました。時折、馬のいななきと具足の触れ合う音が聞こえ、頭上ではコーサラ軍旗がはためいていました。
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人の尊さ・贖罪 アングリマーラ
朝もやの中を、軍勢が駆け抜けていきました。騎馬と歩兵の部隊で、迅速に移動しながら散開し、瞬く間に森の中へ消えていきました。やがて、精舎(しょうじゃ)の包囲が完了した報告を王は受けました。「精舎から出ようとする者は、全て拘束せよ」。そう部下に命ずると、王は従者を連れ、精舎に向かいました。
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