寄稿(連載)

共生へ――現代に伝える神道のこころ(1) 写真・文 藤本頼生(國學院大學神道文化学部准教授)

神道への理解は、多様性を許容し合う社会で大切な考え方の一つに

「神道と福祉との関係性を一緒に研究してみないか」という恩師からの何げない一言がきっかけとなり、神道の学問研究を志すようになってから、はや二十四年を経た。小生は現在、全国に二校しかない神道系大学の一つである國學院大學の教員を務めているが、神道は学べば学ぶほどに未知のことが多く、まだまだ自身の勉強不足は否めない。さらなる研究の深化を求めて、各地の神社や祭礼に足を運び、種々の史料や書籍、学術論文などと苦闘、煩悶(はんもん)する日々を過ごしている。

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現代を見つめて(58) 個人に寄り添う支援 文・石井光太(作家)

個人に寄り添う支援

年明けの一月七日から、首都圏をはじめとして二度目の緊急事態宣言が発令されている。

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利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(48) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

無為無策の結果

政府が1月7日に二度目となる緊急事態宣言を発令した時、菅首相は「1カ月での事態改善に全力を尽くす」と述べたが、感染は収束せずに宣言は延長された。しかし、国民の驚きは少ない印象だった。前政権時代から当局者が「瀬戸際の状況」(安倍首相、2020年3月28日)とか「勝負の3週間」(西村経済再生担当相、2020年11月25日)などと言っても、「勝負」に負けることが繰り返され、多くの人々が慣れっこになってしまったようだ。

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利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(47) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

新年における「暗」――緊急事態宣言と連邦議会占拠という日米の非常事態

新年の連載初回にあたって、明暗を述べることにしよう。

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清水寺に伝わる「おもてなし」の心(12)最終回 写真・文 大西英玄(北法相宗音羽山清水寺執事補)

使命そのものに他ならぬ「大欲」を果たすために

当初は半年、計6回の予定にて本寄稿の大役をお引き受けし、結果的には一年間もの貴重な機会を拝受することとなった。こうした連続寄稿は初めての縁にて、皆様から長きにわたりご支持を頂いてきたことが感慨深く、改めて関係各位のご法光を大変有り難く思う。

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現代を見つめて(57) 食から始まる 文・石井光太(作家)

食から始まる

お正月の定番と言えば、おせち料理だ。ある調査によれば、日本人の六割くらいが今でもおせち料理を食べているという。

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現代を見つめて(56) 子供と家族のオアシス 文・石井光太(作家)

子供と家族のオアシス

大阪にある「TSURUMI こどもホスピス」をご存じだろうか。

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利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(46) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

「鬼滅」世界と現実

先月は、「半沢直樹」や「鬼滅の刃」といった架空の作品世界に没入して楽しみつつ論じた(第45回)が、現実に目を戻すと、陰惨な光景が浮かび上がる。目に見える鬼がいるわけではないものの、「鬼」の気配が感じられるのだ。

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清水寺に伝わる「おもてなし」の心(11) 写真・文 大西英玄(北法相宗音羽山清水寺執事補)

誠の謙虚と信頼を分かち合い 多様な中での共通項を指針に

清水寺には僧職が八人いる。こう言うと、大きな伽藍(がらん)を構える寺院にしては意外に少ないと、多くの人が驚く。このうち私と同じ日に、共に清水寺で得度した僧侶が四人を占める。年齢順に紹介すると、森清顕(せいげん)、私、大西皓久(こうきゅう)、大西晶允(しょういん)である。

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現代を見つめて(55) 同胞が助け合う場所 文・石井光太(作家)

同胞が助け合う場所

関東を中心に、ベトナム人が豚などの家畜を盗んだ容疑で逮捕された。彼らはインターネットのSNSを通じて在日ベトナム人に販売していたという。

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