寄稿(連載)

清水寺に伝わる「おもてなし」の心(10) 写真・文 大西英玄(北法相宗音羽山清水寺執事補)

長い時間軸での継承と循環

「清水の舞台から飛び降りる」

寛永10(1633)年の再建以来、1694年から1864年の間に200件以上の飛び降りがあったそうである。そんなことわざで知られる当山本堂舞台。その床板修復落慶を12月初めに迎える。平成20年から続いた境内にある大小11の諸堂の解体、半解体、彩色復元工事がようやく、無事に完成する。

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利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(45) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

いま話題の大ヒット作品:「半沢直樹」と「鬼滅の刃」

最近、大ヒット作が立て続けに生まれている。テレビでは2013年に大反響を呼んだ「半沢直樹」が今年の7月19日から9月27日まで放送され、最終回は視聴率32.7%と2013年最終回以来の高い数字で、総合視聴率(リアルタイムとタイムシフトの視聴率の合計)は44.1%という。

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現代を見つめて(54) 読書の秋 文・石井光太(作家)

読書の秋

――国語が乱れている。

近年、日本ではそう感じない人が増えているという。

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利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(44) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

暗雲立ち込める政治

アメリカのトランプ大統領が新型コロナウイルスに感染して入院し、陰性にならないうちに退院して選挙活動を再開した。イギリス首相、ブラジル大統領と同じように、コロナ問題を軽視した国家指導者たちは、次々と自らも感染し、感染者数の増大により経済が停滞して、手痛い失敗をしている。

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清水寺に伝わる「おもてなし」の心(9) 写真・文 大西英玄(北法相宗音羽山清水寺執事補)

「伝える」難しさ

「寺なのにどうしてこんな悪い字を選んで書くのか」

毎年暮れに、日本漢字能力検定協会主催による「今年の漢字」発表奉納が当山で執り行われている。字の発表直後よりしばらくは、寺務所へさまざまな声が電話で寄せられる。

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現代を見つめて(53) 「生きる」という力はどこから 文・石井光太(作家)

「生きる」という力はどこから

今年七月、京都でALS(筋萎縮性側索硬化症)を患う女性がインターネットで出会った医師二人に安楽死を依頼し、実行してもらうという事件が発覚した。

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利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(43) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

「天は私たちを見捨て給わず」か?

安倍首相が病気を理由として8月28日に辞任を表明し、奇(く)しくも新型コロナウイルスの第2波が少し和らいできた。

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清水寺に伝わる「おもてなし」の心(8) 写真・文 大西英玄(北法相宗音羽山清水寺執事補)

本質に向き合う縁を得て、祈りの場として大きな力に

「晴れ時々曇り、ところによってにわか雨」

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現代を見つめて(52) 高齢者が働きやすい国 文・石井光太(作家)

高齢者が働きやすい国

九月の第三月曜日は、敬老の日だ。国は、本当に高齢者を敬っているだろうか。

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利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(42) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

国家が機能停止して迎えるお盆

お盆を迎えた。死者に思いを馳(は)せる時である。通常の年ならば都会の人々が実家に帰省して、なかなか会えない家族・親族と顔を合わせ、墓参して先祖を供養する。

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