第二次世界大戦中のドイツ各地に、「エーデルヴァイス海賊団」という少年少女たちによる反体制グループがあったという。そんなことは全く知らなかった。逢坂冬馬さんの『歌われなかった海賊へ』(早川書房)は、そんな知られざる歴史的存在に命を吹き込んだ。さらに、彼らを取り巻く善良なる市民の罪深さも描き出し、我々に突きつけてくる。
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『100年時代の“生き方&逝き方”』
日本人の死亡率をご存じですか? このクイズ、誰でも答えを知っています。日本人だけではなく、地球上の全ての人類の死亡率は100%。今日生まれた赤ちゃんでも、いつかは寿命が尽きるのです。
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『「嫌」と言えるようになる教育』
令和5年2月に発表された警察庁の犯罪統計資料では、強制わいせつ(※)に遭った被害者で10代以下の割合は4割を超えています。全年齢の男性の被害者の中では、約半数が13歳未満の子どもです。
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京極夏彦さんは1994年、『姑獲鳥(うぶめ)の夏』で鮮烈なデビューを果たした。以降、怪異が彩る事件の謎を古書肆(こしょし)の主、中禅寺秋彦が解いていく「百鬼夜行」という人気シリーズに成長した。『鵼(ぬえ)の碑(いしぶみ)』(講談社)は同シリーズの17年ぶり、長編10作目となる新作である。いつもの妖しく、惑溺(わくでき)させる雰囲気の中で、新しい時代の息吹を感じられる作品となっている。
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『体を変えれば心も変わる』
私たちの毎日は、うれしい日もあれば、落ち込む日もあります。体調の良い日もあれば、悪い日もある。どんな人間関係も、良い時とざわつく時があるのが自然です。それが当たり前だと分かっていても、できればストレスフリーを望みます。
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『プライベートゾーンについて』
プライベートゾーンとは、口・胸・尻・性器といった、他者に勝手に触られたり見せたりしてはいけない部位を指します。これらは身体の内部につながっており、妊娠や生命に関わる特に大切な身体部位です。
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「総務省の調査によれば、全国の空き家数は二〇一八年の時点で八百四十九万戸だという」。これは重松清さんの『カモナマイハウス』(中央公論新社)で紹介される実態で、今や全国いたるところで空き家が目につく。かく言う私も親がいなくなったら実家をどうしたらいいか、今から不安を抱えている。本書はこの空き家問題と、定年後や子育て、親の介護を終えた後のロス問題に鋭くもコミカルに斬り込んだ。直視しにくい、重いテーマを軽やかに描くことによって、私たちに問題の所在をさらりと見せてくれる。
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『寝る子は育つ』
秋の夜長、残暑も去り、過ごしやすい季節になると、ついつい夜更かしをしてしまいます。夏は暑くて寝苦しく、冬は寒さで寝つくのに時間がかかります。一方、春には「春眠暁を覚えず」という言葉のようによく眠れるかというと、実はそうでもありません。この季節には、激しい気温差に体がついていけず、自律神経が乱れやすくなる上に、4月に新年度を迎え、環境の変化によって大きなストレスを抱える人も多いのです。健康にとって睡眠はとても重要であるにもかかわらず、1年を通して上質な睡眠を確保することは簡単ではありません。だからこそ、質の良い睡眠を得るための努力が必要になります。
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『タブーからの脱却』
子どもの教育では、「性的な話は全て遠ざける」というのが、第一選択肢に上がることが少なくありません。現在の学校の指導要領からも、高校生まで「妊娠に至る具体的な行為を知らない」というのが理想的な状況とされているように感じます。
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須藤古都離(ことり)さんの『無限の月』(講談社)は、恋愛小説にして手に汗握る大救出劇、そして驚きのSF小説でもある。読み終えて、意識を変えることの難しさを突きつけられたような気がする。
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