佼成病院 事業譲渡にあたって

昭和27年8月10日に開設され、70年以上にわたり会員や地域住民の健康を支えてきた「立正佼成会附属佼成病院」(東京・杉並区)が、今年4月より「杏林大学医学部付属杉並病院」として新たなスタートを切る。本会から学校法人杏林学園への事業譲渡にあたり、佼成病院としての沿革を振り返るとともに、本会の熊野隆規理事長と、同病院の市村正一院長の談話を紹介する。

会員の皆さまへ

立正佼成会理事長 熊野隆規

佼成病院は昭和27年に、開祖さまの「心の病は法座の指導で治し、肉体の病は医者にゆだねる」というお考えのもと創設されました。以来、会員の皆さま、また地域の方々の健康を支えてまいりました。

その佼成病院の医療事業を、3月31日をもって学校法人杏林学園に事業譲渡することになりました。譲渡後は「杏林大学医学部付属杉並病院」として、生まれ変わります。これまで佼成病院に携わり、ご尽力くださった方々に心から御礼を申し上げます。

中野区に開設された佼成病院は、社会や時代の要請に応じて専門性を高めながら、平成26年に杉並区の現在地に移転しました。これと共に、杏林学園と医療連携を結び、東京都災害拠点病院としての役割なども担ってきました。

一方、これまで経営的な困難を抱えてきたことも事実です。教団の理事会では、現在の医療を取り巻く環境が複雑化し、専門的なかじ取りを求められる中で、医療業務の運営主体と経営主体が分離した状態では、医療の安定的な提供は難しいとの結論に至りました。

そこで、10年間にわたってパートナーシップを築き、開祖さまが示された病院の理念「真観」(正しくみて、正しく手当てする)を深く理解し、診療にあたってくださる杏林学園に事業(経営権)の譲渡を相談し、このたびの決定となりました。

今後、新病院はこれまでの地域に開かれた身近な病院という役割に加え、教育研究機関としての使命をより強く担うことが期待されています。会長先生はかねてより、「一年計画ならば穀物を植えるのがいい。十年計画ならば樹木を植えるのがいい。終身計画ならば人を植えるのに及ぶものがない」と中国の古典を引用しながら、人づくりの大切さを繰り返しお説きくださっています。医学に貢献し、医療従事者の育成に大きな役割を果たされることを、切に願わせて頂きます。

私も利用者として、時には教団の担当者として、佼成病院との関わりを頂いてまいりました。特に、昨今のコロナ禍では、いち早く、新型コロナウイルス患者の受け入れを始めた佼成病院に、全国の教会から医療用マスクや応援のメッセージが寄せられました。院内の廊下に掲示されたメッセージに、医師や看護師をはじめ多くの職員さんが勇気づけられ、涙を流された方もいたと伺いました。佼成病院は、たくさんの会員さんに愛されてきた病院であったと改めて実感した次第です。

教団といたしましては、譲渡後も「杏林大学医学部付属杉並病院」との関係を大切にしながら、応援させて頂く所存です。会員の皆さまには、これまでと同様に引き続きご利用頂きたいと願っております。皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げます。

合掌

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