カルチャー

バチカンから見た世界(42) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

仏教徒とキリスト教徒の対話の行方
バチカン諸宗教対話評議会主催、中国地域司教協議会、霊鷲山僧院(台湾)共催による「第6回仏教徒・キリスト教徒会議」が11月13日から16日まで、霊鷲山無生道場で開かれた。今回は『仏教徒とキリスト教徒が共に歩む非暴力への道』が総合テーマに掲げられた。

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ミンダナオに吹く風(10) ミンダナオに関心を抱く日本の若者たち 写真・文 松居友(ミンダナオ子ども図書館代表)

ミンダナオに関心を抱く日本の若者たち

2年ほど前から、妻のエープリルリンと、現在中2の長女、小6の次女と一緒に日本に滞在しつつ、ミンダナオに通う生活を送っている。

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バチカンから見た世界(41) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

核兵器禁止条約は一条の光明――ヒバクシャと教皇

11月10、11の両日、バチカンのシノドスホールで『核兵器から解放された世界と包括的軍縮のための展望』と題する国際会議が開催された。主催は、バチカンの「人間開発のための部署」。国際原子力機関(IAEA)のモハメド・エルバラダイ前事務局長ら歴代のノーベル平和賞受賞者、中満泉国連事務次長・軍縮担当上級代表ら国連関係者、NATO関係者、米国、ロシア、韓国、イランなどの外交代表、研究者、市民活動の代表、諸宗教関係者ら約200人が参加した。

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気づきを楽しむ――タイの大地で深呼吸(9) 写真・文 浦崎雅代(翻訳家)

「死ぬ前に死ぬ」という生き方――カンポンさんに学ぶ

タイ語に「ターイ・コン・ターイ(死ぬ前に死ぬ)」という言葉がある。タイで高僧として知られるプッタタート師が生前に語られた言葉だ。奇妙なフレーズだが、その意味するところは「肉体の死を迎える前に、“この私が”という我執(がしゅう)を死なせる」ということである。だから「死ぬ前に死ぬ」ことは良きことであり、修行者の目指すところであるというのだ。

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バチカンから見た世界(40) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

ムスリム排斥を祈る人々の“壁”――ポーランド国境

10月7日は、1571年にギリシャのコリント湾口のレパント沖で、ローマ教皇ピウス五世、スペイン(フェリペ二世)、ベネチア共和国のキリスト教国の連合艦隊が、イスラームのオスマン帝国海軍を打ち破った「レパントの海戦」の戦勝記念日とされている。今年の10月7日、ポーランドでは、約100万人のカトリック信徒たちが全長3500キロにわたる国境線に集結し、ムスリム(イスラーム教徒)の移民を排斥する、祈りの一大集会を実施した。

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バチカンから見た世界(39) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

国際ステーションのクルーと対話する教皇

地上から約400キロ上空の軌道を秒速10キロで旋回する国際宇宙ステーション(ISS)。現在、米国(3人)、ロシア(2人)とイタリア(1人)の6人の宇宙飛行士が、第53回のミッションを遂行している。

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ミンダナオに吹く風(9) 「演習」という名の「実戦」 写真・文 松居友(ミンダナオ子ども図書館代表)

ミンダナオで繰り返されてきた戦争に関しては、日本ではほとんど報道されなかった。理由は分からないが、毎年2カ月間、ミンダナオ子ども図書館の活動報告会で日本を訪れても、現地で起こっていることを知っている人はほとんどいなかった。

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バチカンから見た世界(38) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

世界に吹く核の逆風と教皇、そして、日本

イタリアの日刊紙やメディアに情報を配信する「ANSA」通信は10月12日、米テレビ局「NBC」が流したニュースを引用しながら、「7月の軍事サミット会議(国防総省での安全保障会議)で、トランプ大統領が核兵器の数を(現在の)10倍に増やしたい」と発言したと報じた。

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バチカンから見た世界(37) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

核兵器に対し、連帯の倫理を――ローマ教皇

「平和、安全、安定への希求は、人間の心の奥底から湧き出る願望である。なぜなら、その願望が、人類を一つの家族として創造した神に由来するからだ」。ローマ教皇フランシスコはそう説く。こうした人間の希求が、軍事力によって叶えられることはなく、「ましてや、核兵器や大量破壊兵器によって満たされることは絶対にない」と訴えている。

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気づきを楽しむ――タイの大地で深呼吸(8) 写真・文 浦崎雅代(翻訳家)

共に暮らす、友と暮らす――ライトハウスの仲間たち

夫婦で大学講師を辞めて、瞑想(めいそう)修行場&農場である“ライトハウス”に移住して2年が経つ。息子も3歳半になり、元気に村の幼稚園へ通っている。「養鶏場の鶏ではなく、自由に成長する森のニワトリになりたい」。そう話す夫と共に、ここにやってきた。以前に比べ、現金収入は微々たるものになった。だが、野菜を作り、自給のオフグリッド発電や手作りの家を手掛ける――夫は、今では真っ黒な顔をしたニワトリになりつつある。

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