カルチャー

バチカンから見た世界(66) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

韓国カトリック教会の夢と現実――老齢化する離散家族

8月4日付のバチカン日刊紙「オッセルバトーレ・ロマーノ」は、トランプ米大統領が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長からの親書を受け取り、ツイッターで「素晴らしい親書に感謝」との言葉を寄せ、「早期の再会を願った」と報じた。

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バチカンから見た世界(65) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

政治家の和平と宗教者の和平――朝鮮半島

南アフリカの故ネルソン・マンデラ元大統領の生誕100年を記念する式典がその誕生日の前日である7月17日、ヨハネスブルクで行われ、米国のオバマ前大統領が講演した。18日付の共同通信(電子版)は、この中でオバマ氏が、世界の現状を「奇妙で不確かな」時代と評し、「『恐怖や恨み』をあおるような政治状況に強い危機感を表明した」と伝える。

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ミンダナオに吹く風(18) ミンダナオ子ども図書館の訪問者 写真・文 松居友(ミンダナオ子ども図書館代表)

ミンダナオ子ども図書館の訪問者

日本から「ゆめポッケ」が届けられるようになって数年が経った2009年、立正佼成会から「ミンダナオ子ども図書館を訪れて、『ゆめポッケ』の配付地域を見たい」という連絡が入った。その目的とするところは、将来的に、「『ゆめポッケ』を直接手渡して、紛争や対立で傷ついた世界の子どもたちに、まごころと友情の支援をすること」にあるという。すなわち、ミンダナオ子ども図書館の活動している地域が、親子で訪問するのに適正か否かを、安全性の面も含めて確認することだった。

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バチカンから見た世界(64) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

米朝、南北、そしてバチカン

「朝鮮半島の非核化と、この地域における平和構築のための対話はやむことがない」。7月4日付のバチカン日刊紙「オッセルバトーレ・ロマーノ」は1面にそう掲載し、米国務省の声明文を引用しながら、駐フィリピンのソン・キム米大使が板門店の非武装地帯で北朝鮮政府関係者と懇談したと報じた。6月12日のシンガポールでの米朝首脳会談後、初めて開かれた両国政府間における実務者会議では、「米朝首脳会談での合意文書の内容を実現していくためのさらなる進展」について協議されたとのことだ。

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気づきを楽しむ――タイの大地で深呼吸(17) 写真・文 浦崎雅代(翻訳家)

オンラインで気づきを育む――タイで学ぶ究極の「働き方改革」!?

私は今、タイのNGO「プッティカー」が主宰する「オンラインで気づきを育む」というプログラムに参加している。森の寺と呼ばれるスカトー寺住職のパイサーン・ウィサーロ師による短い説法がライブ配信される、初めてのプログラムだ。日頃、お寺や瞑想(めいそう)修行場に行く機会がなくても、日常生活の中で気づきを高める修行を、という趣旨のもと、フェイスブック内にある限定のグループで行われている。

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バチカンから見た世界(63) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

朝鮮半島の平和へWCCとバチカンが協力

世界教会協議会(WCC)創立70周年を記念したエキュメニカル(全キリスト教会の一致)な式典が6月21日、スイス・ジュネーブにある同本部で行われた。席上、スピーチに立ったローマ教皇フランシスコは、キリスト教の諸教会が「共に祈り、共に福音を伝え、共に奉仕する」ことの重要性を強調した。

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ミンダナオに吹く風(17) 魂がこもった「ゆめポッケ」 写真・文 松居友(ミンダナオ子ども図書館代表)

魂がこもった「ゆめポッケ」

「ミンダナオ子ども図書館」では、すでに10年以上、立正佼成会の子どもたちから送られてくる「ゆめポッケ」を、戦闘の起こる地域のイスラーム教徒や極貧の先住民の子どもたちに届け続けてきた。戦争で親を失った子や、貧困で学用品を買えない子たちにとって「ゆめポッケ」は、物資支援のなかでも心から喜ばれる贈り物だ。それは、受け取った子どもたちの喜び方と笑顔から分かる。

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バチカンから見た世界(62) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

アジアであおられる「文明の衝突」――家族ぐるみによる悲惨なテロ事件

インドネシア東ジャワ州の州都スラバヤで5月13日、キリスト教の3教会を狙った自爆テロが発生した。ローマ教皇フランシスコは同日にバチカン広場で行われた正午の祈りの席上、この事件に言及。「愛するインドネシア国民、特に、甚大な被害を受けたスラバヤのキリスト教の共同体への連帯」を表明し、犠牲者とその家族のために祈りながら、広場に参集した信徒たちに「このような暴力行為を止め、全ての人々の心の内に憎悪と暴力ではなく、和解と友愛の感情が宿るように平和の神に祈ろう」と呼び掛けた。

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気づきを楽しむ――タイの大地で深呼吸(16) 写真・文 浦崎雅代(翻訳家)

リアル一休さんはタイにいた!(後編)――「なくても大丈夫!」が育まれる環境

タイのリアル一休さん、沙弥(しゃみ=未成年の僧侶)による一時出家の醍醐味(だいごみ)は、「離れる」ことによる学びだ。楽しく、便利で、豊かな生活から、一時的にでも離れるメリットは大きい。

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バチカンから見た世界(61) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

「文明の衝突」論――その過去と現在

イラン革命が起こる2年前の1976年、同国最後の王朝であるパーレビ朝の時代に、米・プリンストン大学教授だったバーナード・ルイス氏は、「政治の中核にイスラームを置くことを決意した過激派によってムスリム運動が扇動され、その運動による権力の台頭が迫っていると予告した」研究者として知られる。同氏が5月19日、101歳で亡くなった。

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