ミンダナオに吹く風
ミンダナオに吹く風(26)最終回 ゆめポッケをめぐる旅の終焉 写真・文 松居友(ミンダナオ子ども図書館代表)
ゆめポッケをめぐる旅の終焉
今回の「ゆめポッケ」調査の最後に、立正佼成会の方々をマキララの山岳地帯の奥にあるマロゴン村にご案内した。四輪駆動のトラックに乗って、平地に果てしなく広がるバナナプランテーション農場を抜け、山麓から谷沿いに山に入り、熱帯樹の生い茂るジャングルを抜けて登っていく。すると、人が住んでいるとは思えない山奥に、先住民や貧しい人々が集まって住んでいる集落がいくつもあった。
ミンダナオに吹く風(25) ピキットの丘にある要塞跡で 写真・文 松居友(ミンダナオ子ども図書館代表)
ピキットの丘にある要塞跡で
立正佼成会の皆さんと一緒に、「ゆめポッケ」の配付をかねた「平和の祈り」を開催したい場所はたくさんあるが、とりわけイスラーム地域のピキットの丘にある史跡、16世紀にスペイン軍がつくった石造りの要塞(ようさい)跡は、いつか必ずご一緒し、「平和の祈り」を行いたい場所の一つだ。
ミンダナオに吹く風(23) 先住民の村へ 写真・文 松居友(ミンダナオ子ども図書館代表)
先住民の村へ
カリナンからさらに山や深い谷を抜けて国道を行くと、深い谷を越えたあたりで車は脇道に入った。それまでのアスファルトの道とはまったく異なった、車一台通るのがやっとの山路だ。訪問者は、驚いた顔をして山々の風景を見ている。
ミンダナオに吹く風(22) 敗戦後、日系人たちはジャングルへ逃れた 写真・文 松居友(ミンダナオ子ども図書館代表)
敗戦後、日系人たちはジャングルへ逃れた
「ミンダナオ子ども図書館」の訪問者を連れ、私たちはミンタルの日本人墓地に寄った。大きな熱帯樹の下で、慰霊碑に手を合わせて祈っていると、蝉(せみ)たちの声に交じって鳥の鳴き声が聞こえてくる。まるで、戦争で死なざるを得なかった霊たちが、祈りを捧げている私たちの姿を天から見下ろして、声を掛けてきているかのようなさえずりだ。後日、この日本人墓地では、ミンダナオ子ども図書館の若者たちが集まって、近くにある日系人会の学校の子どもたちと共に「平和の祈り」を捧げた。
ミンダナオに吹く風(21) 日本からの移民 写真・文 松居友(ミンダナオ子ども図書館代表)
日本からの移民
日本からの訪問者たちと、ミンダナオ子ども図書館で予約をしたホテルに車で向かった。そこは、空港からそれほど遠くない居心地の良いホテルで、裏には日系人会の運営する学校が建っている。
ミンダナオに吹く風(20) 野山を駆け回るピックアップトラック 写真・文 松居友(ミンダナオ子ども図書館代表)
野山を駆け回るピックアップトラック
ダバオ国際空港に降り立った訪問者たちは、スタッフに導かれて、「ミンダナオ子ども図書館」の所有する2台のピックアップトラックに分乗した。1台は日産のナバラ、もう1台はトヨタのハイラックス。いずれも四輪駆動車だ。
ミンダナオに吹く風(19) ミンダナオ子ども図書館を支えるスタッフの若者たち 写真・文 松居友(ミンダナオ子ども図書館代表)
ミンダナオ子ども図書館を支えるスタッフの若者たち
ダバオ国際空港の出口から、立正佼成会の「一食(いちじき)平和基金」の担当者の方々が出て来られると、ミンダナオ子ども図書館(MCL)のスタッフのジェニーボーイ君が走り寄ってスーツケースなどを受け取って運び始めた。
ミンダナオに吹く風(18) ミンダナオ子ども図書館の訪問者 写真・文 松居友(ミンダナオ子ども図書館代表)
ミンダナオ子ども図書館の訪問者
日本から「ゆめポッケ」が届けられるようになって数年が経った2009年、立正佼成会から「ミンダナオ子ども図書館を訪れて、『ゆめポッケ』の配付地域を見たい」という連絡が入った。その目的とするところは、将来的に、「『ゆめポッケ』を直接手渡して、紛争や対立で傷ついた世界の子どもたちに、まごころと友情の支援をすること」にあるという。すなわち、ミンダナオ子ども図書館の活動している地域が、親子で訪問するのに適正か否かを、安全性の面も含めて確認することだった。
ミンダナオに吹く風(17) 魂がこもった「ゆめポッケ」 写真・文 松居友(ミンダナオ子ども図書館代表)
魂がこもった「ゆめポッケ」
「ミンダナオ子ども図書館」では、すでに10年以上、立正佼成会の子どもたちから送られてくる「ゆめポッケ」を、戦闘の起こる地域のイスラーム教徒や極貧の先住民の子どもたちに届け続けてきた。戦争で親を失った子や、貧困で学用品を買えない子たちにとって「ゆめポッケ」は、物資支援のなかでも心から喜ばれる贈り物だ。それは、受け取った子どもたちの喜び方と笑顔から分かる。