利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(53) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)
オリンピック突入による犠牲
東京では、3回目の緊急事態宣言解除の際に懸念されていた通りに、新型コロナウイルスの感染者が再び急増し、7月12日から4回目の緊急事態宣言が発令された。そうした状況にもかかわらず、多くの人々が反対署名などで中止を求めた東京オリンピックが始まった。東京では感染者が一日1000人を超える第5波を迎えており、五輪によって死者が増えることが危惧される。すでに選手村などで選手や関係者に次々と感染者が見つかっている。さらに開会式直前に、過去の言動が問題となって、楽曲担当のミュージシャンが辞任し、開閉会式のショーディレクターが解任された。海外メディア(USAトゥデイ)から「カオス」と評された通りの大混乱状況だ。
バチカンから見た世界(110) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)
オリンピックの選手村は教皇の夢――イタリア選手団随行神父
新型コロナウイルスの感染拡大(第5波)への恐れ、日本国民の多数が開催を反対し、人類が歴史の中で共有してきた価値観を揶揄(やゆ)した開会式のショーディレクターを開幕直前に解任するといった、逆風と混乱の中で始まった東京オリンピック――。
唯仏与仏(86) 立正佼成会 庭野日敬開祖法話
「観世音菩薩普門品(かんぜおんぼさつふもんぽん)」に、「慈眼(じげん)をもって衆生(しゅじょう)を視(み)る」という言葉があります。慈悲のまなざしで人びとを見るという、とても大事なことが教えられているわけです。