カルチャー

バチカンから見た世界(110) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

オリンピックの選手村は教皇の夢――イタリア選手団随行神父

新型コロナウイルスの感染拡大(第5波)への恐れ、日本国民の多数が開催を反対し、人類が歴史の中で共有してきた価値観を揶揄(やゆ)した開会式のショーディレクターを開幕直前に解任するといった、逆風と混乱の中で始まった東京オリンピック――。

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気づきを楽しむ――タイの大地で深呼吸(52)最終回 写真・文 浦崎雅代(翻訳家)

タイ移住生活5年間を振り返って(後編) いのちに触れて、いのちを生き直す

タイの地方に家族で移住し、自然の恵みをダイレクトに感じられる環境の中で、私自身の生活も大きく変化していった。前回に続き、移住生活5年間の振り返りを、この連載の最後に記しておきたいと思う。

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バチカンから見た世界(109) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

憎しみ合わない勇気を――イスラエル・パレスチナ問題

ユダヤ教、キリスト教、イスラームの聖地であるエルサレムの帰属をめぐる問題は、イスラエル・パレスチナの対立、さらには、中東和平全体に関わる最大の難関といわれる。

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バチカンから見た世界(108) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

中東和平の最大の難関 聖都エルサレム問題が再燃

「私たちは何百回も目にし、言ってきた。聖都エルサレム問題に触れると、宿命であるかのごとく暴力と苦痛が広まり、全ての人々を巻き込む、と。中東紛争の中核はいずれの時も聖都の問題なのだ。教皇ヨハネ・パウロ二世が認めていたように、エルサレムに平和が来なければ、他の地域にも平和は来ないのだ」。これは、カトリック教会聖地管理局のイブラヒム・ファルタス神父の発言だ。

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気づきを楽しむ――タイの大地で深呼吸(51) 写真・文 浦崎雅代(翻訳家)

タイ移住生活5年間を振り返って(前編) 違いを知り、違いを楽しむ

毎月1回、タイでの体験や学びをエッセーでお届けしてきたこの連載も、来月で最終回となる。この連載が始まったのは、ちょうど私たち家族が新しい人生のスタートを切った頃だった。今回と次回の2回にわたって、これまでの暮らしを振り返り、学びを記していきたいと思う。

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バチカンから見た世界(107) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

他の宗派、宗教との出合いが豊かな対話の場になる――教皇がメッセージ

カトリック教会は、9月の最終日曜日(今年は9月26日)を「世界移民・難民の日」と定めている。第107回を迎える今年のテーマは『より大きな“私たち”に向かって』。ローマ教皇フランシスコが5月6日、今年の取り組みに向けてメッセージを発表した。

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気づきを楽しむ――タイの大地で深呼吸(50) 写真・文 浦崎雅代(翻訳家)

善き行いを応援する方法を学ぶ――「これは駄目よ!」から「よくできたね!」へ

子を育てる――悩みや迷いを感じない人は、おそらく誰もいないだろう。もちろん私もその一人だ。日々成長する子供の様子に喜びを感じることもあれば、逆に戸惑いを感じることもある。今月に7歳の誕生日を迎える息子もまた、親である私自身にさまざまな学びや教訓を与えてくれる存在である。

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バチカンから見た世界(106) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

「共に天を見つめ地を歩こう」 教皇がイラクの諸宗教指導者に呼びかけた言葉の意味

2003年に起きたイラク戦争の直前、ローマ教皇ヨハネ・パウロ二世は、同国のサダム・フセイン大統領と米国のジョージ・ブッシュ大統領に特使を派遣した。米国を中心とする有志連合による軍事介入を回避するためだった。

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バチカンから見た世界(105) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

人類救済の歴史の出発点である古代都市ウルから友愛を説く教皇

ローマ教皇フランシスコは3月5日から8日まで、イラクを訪問した。5日午前にはバグダッドにある大統領官邸にバルハム・サリフ大統領を表敬訪問し、その後、会見に臨み、大統領、政府関係者、諸宗教指導者、市民の代表、各国の駐イラク大使を前にスピーチした。

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バチカンから見た世界(104) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

「アブラハム」を信じて――教皇のイラク訪問

『旧約聖書』の創世記に、「アブラハム」という人物が登場する。チグリス川とユーフラテス川が合流する地点に栄えた都市ウル(現・イラク)で生まれ、唯一の神から「あなたの故郷、親族、父の家を捨て、私が示す地(約束の地・カナン=現在のパレスチナ、イスラエルを中心とする地域)に向けて旅立て」というお告げを受け、神からの言葉のみを頼りに、見知らぬ土地へと向かった人物だ。

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