カルチャー

バチカンから見た世界(105) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

人類救済の歴史の出発点である古代都市ウルから友愛を説く教皇

ローマ教皇フランシスコは3月5日から8日まで、イラクを訪問した。5日午前にはバグダッドにある大統領官邸にバルハム・サリフ大統領を表敬訪問し、その後、会見に臨み、大統領、政府関係者、諸宗教指導者、市民の代表、各国の駐イラク大使を前にスピーチした。

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バチカンから見た世界(104) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

「アブラハム」を信じて――教皇のイラク訪問

『旧約聖書』の創世記に、「アブラハム」という人物が登場する。チグリス川とユーフラテス川が合流する地点に栄えた都市ウル(現・イラク)で生まれ、唯一の神から「あなたの故郷、親族、父の家を捨て、私が示す地(約束の地・カナン=現在のパレスチナ、イスラエルを中心とする地域)に向けて旅立て」というお告げを受け、神からの言葉のみを頼りに、見知らぬ土地へと向かった人物だ。

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気づきを楽しむ――タイの大地で深呼吸(49) 写真・文 浦崎雅代(翻訳家)

恐れ、怒り、放逸――心の三重苦も備えあれば、はまり込みなし

新型コロナウイルスの感染を予防するため、「ニューノーマル」(新しい日常)と呼ばれる公共の場での振る舞いが、タイでも定着してきている。主には、手洗いの励行、マスクの着用、他人とは2メートル程度の距離を取ることである。もちろんこれだけでは、感染を完全には防げるとは限らない。すでに流行は長期にわたっており、今後どのような対策を講じるのか――これは国単位でも、地域や家族、個人においても、難しい選択が迫られると言えるだろう。

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バチカンから見た世界(103) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

教皇のイラク訪問を前に

ローマ教皇フランシスコは、3月5日から8日までイラクを訪問する。70人ほどの国際記者がバチカンで新型コロナウイルスワクチンの接種を受け、随行する。2人の日本人記者も含まれている。滞在中、イスラーム・シーア派の最高指導者であるアヤトラ・アリ・シスタニ師と懇談する予定になっている。国内だけでなく、湾岸諸国のシーア派ムスリム(イスラーム教徒)から敬慕されている宗教指導者だ。

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気づきを楽しむ――タイの大地で深呼吸(48) 写真・文 浦崎雅代(翻訳家)

「今日は何か役に立つ良いことはできたかな?」 おやすみ前の親子の3分間対話

最近、息子の成長が著しい。今年7歳になる息子は、小学校には行かずホームスクーリングで学んでいることは紹介させて頂いてきた。自然豊かな環境、両親がフリーランスでほぼいつも一緒にいられるという利点を生かし、息子が興味を持った分野を学んでいく姿をじっくり見守っていきたいと願って実践している。

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バチカンから見た世界(102) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

人間的な治療とは何か――コロナ禍での本質的な問い掛け

クリスマスの前日(12月24日)、イタリアにおける新型コロナウイルスの感染者累計が200万人に上った。死者は7万人を超えた。

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気づきを楽しむ――タイの大地で深呼吸(47) 写真・文 浦崎雅代(翻訳家)

善きことを継続する――やる気も怠け心も「症状」として

2021年がスタートした。年が改まると自然と新鮮な気持ちになる。昨年は、新型コロナウイルスの世界規模での流行という試練が訪れ、今年もその影響が続くと予想される。しかし、たとえ厳しい状況の中にあっても、悲観的にならず、この一年を心安らかに過ごしたいと前向きに願うことも、新年を迎える意義だと言えよう。

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気づきを楽しむ――タイの大地で深呼吸(46) 写真・文 浦崎雅代(翻訳家)

プラス思考とは、今あるものに目を向けること――パイサーン師による日本人向けのオンライン説法会から

先月、私が最も尊敬する僧侶のパイサーン・ウィサーロ師をお招きし、日本の方に向けてオンラインで説法をして頂いた。

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バチカンから見た世界(101) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

新型コロナウイルス流行第2波――イタリア、米国の対応

新型コロナウイルスの「第2波」がイタリアを襲っている。1日平均の感染者数が3万人近くに上り、死者は700人を超える。

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バチカンから見た世界(100) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

『誰も一人では救われない』 聖エジディオ主催の平和の祈り

今は亡きローマ教皇聖ヨハネ・パウロ二世が、世界の諸宗教指導者に呼び掛け、イタリア中央部にある聖都アッシジにおいて「世界平和祈願の日」を実現させたのは、世界が東西冷戦による核戦争の脅威に怯(おび)えていた1986年のことだ。

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