聖都エルサレムをめぐる問題――イスラーム政治指導者とバチカン
トランプ米大統領が昨年の12月6日、聖都エルサレムをイスラエルの首都と認定し、米大使館を移転させる宣言文書に署名したことに対し、エジプト・カイロのイスラーム・スンニ派最高権威機関「アズハル」のアハメド・タイエブ総長は、「エルサレムに大使館を移転させるという米国の実行を阻止しなければならない」と発言し、12月中旬にカイロで予定されていたマイク・ペンス米副大統領との会見を拒否した。今年に入り、アズハルは1月16、17の両日、同機関で「エルサレム支援のための国際会議」を開催した。86カ国から政治家やイスラーム、キリスト教の指導者が参加した。
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ヒナイヒナイ バスタ カヌナイ(ゆっくりだけれど絶えることなく)
昨年の暮れ、ミンダナオ子ども図書館(MCL)のスタッフたちと、戦争避難民の支援に向かった。フィリピン・ミンダナオ島のマラウィで昨年5月に始まったイスラーム過激派と政府軍との戦いは、昨年10月23日に政府が戦争終結宣言を出し、表向きは戦闘が収まったとして、マラウィ市の近郊の避難民キャンプまで足を運び、救済活動ができるようになったからだ。そのため、今回は、破壊されたマラウィ中心部から逃げてきた人々が多く住む避難民キャンプを訪れて、奨学生採用の調査をした。
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ローマ教皇を感動させた一枚の写真と核兵器廃絶
ローマ教皇フランシスコは1月15日、南米のチリとペルーを訪問するため、ローマのフィウミチーノ国際空港を飛び立った。両国訪問は22日までとなっている。離陸後、教皇は、1945年に原爆投下直後の長崎で米軍の従軍カメラマンが撮影した「焼き場に立つ少年」の写真カードを70人の国際同行記者たちに配布し、こう述べた。
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精いっぱいやる、でもシリアスにならない
前回お伝えしたタンマヤートラ(法の巡礼)。8日間で約100キロの、歩く瞑想(めいそう)だ。私の家族も無事に完歩した。3歳の息子は夫に抱かれる時間が多かったけれど、それもまたよし。夫は「辛抱強さを身につけるぞ!」とあらかじめ語っていたので、体重17キロの息子を抱えながら楽しそうに歩いていた。
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無量の悲哀に立ち向かう長崎の少年――ローマ教皇が取り上げた一枚の写真
核兵器なき世界の実現に向けて、「ヒバクシャ」が示す人類への「戒め」を、ローマ教皇フランシスコは重く受けとめてきた。現代人が解決すべき最優先事項との思いで、事あるごとに、彼らの声に耳を傾けるように訴えてきた。
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エルサレムは2国家と3宗教の都市
トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都と承認し、米大使館をエルサレムに移転するように指示した12月6日、世界のキリスト教界から一斉に抗議の声が上がった。
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新たな戦争で被害を受けた子どもたちのもとへ
マニラ空港でこの原稿を書き始めた。これからダバオ空港に飛び、ダバオからミンダナオ子ども図書館(MCL)のあるキダパワン市を経由して、翌日、スタッフたちと、8時間ほど車に乗ってマラウィ市に向かう。マラウィ市は、昨年イスラーム国(IS)に忠誠を誓うテロ集団に占領され、政府軍の空爆で破壊された都市だ。
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エルサレムの嵐――トランプ大統領の宣言の波紋
トランプ米大統領は12月6日、エルサレムをイスラエルの首都として承認する宣言文に署名し、国務省に対してテルアビブにある同国大使館をエルサレムに移転させる手続きの開始を指示した。
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法句経と聖フランシスコに示された共通の基盤
ミャンマー訪問中のローマ教皇フランシスコは11月19日、同国の国家サンガ大長老会議の指導者と会見した。席上、スピーチを行った教皇は、あらゆるものが関係して存在していることを教える仏教の諸法無我に照らして、人間関係の一致を実現していくには、あらゆる無理解、不寛容、偏見、憎悪を克服していくことが必要と強調した。その上で、「怒らないことによって怒りにうち勝て。善いことによって悪いことにうち勝て。わかち合うことによって物惜しみにうち勝て。真実によって虚言の人にうち勝て」※という法句経の一節と、「主よ、私を平和の道具となさしめてください。憎しみがあるところに愛を、争いがあるところに許しを(中略)、闇あるところに光を、悲しみあるところに喜びを」というキリスト教の聖フランシスコの言葉を引用。「こうした叡智(えいち)が、文化、民族、宗教的確信の違いによって傷ついた人々を癒やし、忍耐と理解を育むための努力に息吹を与え続けていくように」と願った。
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タンマヤートラ――行進でも、デモでもなく、気づきと共に歩く
8日間で約100キロ――タイの田舎道を歩くイベントが12月に行われる。年々参加者が増え、今年も300人は下らないだろう。僧侶も一般の人も共に歩くのだが、何かを訴えるための行進(パレード)やデモではない。速さも距離も競わず、我慢比べでもない。シュプレヒコールを上げたり、何かを叫んだりして歩くのではなく、ただ静かに自分のペースで歩く。その名は「タンマヤートラ」。タンマは法、ヤートラは巡礼を意味するので「法の巡礼」と訳す。「みんなで歩く瞑想(めいそう)」もしくは「タイ版お遍路さん」とでも紹介できるだろうか。
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