現代を見つめて
現代を見つめて(40) いま一度「助け合う」精神を 文・石井光太(作家)
いま一度「助け合う」精神を
――夫婦で老後資金が二千万円必要になる。
先日、そんな金融庁の報告書の言葉に、国民の多くが動揺した。政治家たちは慌てて火消しを図ったが、現実はそこまでちがわないだろう。
現代を見つめて(38) 医療からの孤立 文・石井光太(作家)
医療からの孤立
川崎市の登戸駅の近くで、私立カリタス小学校の児童をはじめ二十人が男性に包丁で刺されて死傷する事件が起きた。男性は長らく社会と接点を持っておらず、孤立する中で複雑な問題を抱えて凶行に及んだのだろう。
現代を見つめて(35) 人間が人間を測る危うさ 文・石井光太(作家)
人間が人間を測る危うさ
中国では、IT企業が国民一人ひとりを格付けする取り組みがはじまっているという。健康、収入、社会的立場などから点数付けするのだ。その評価によって、不動産が安く買えたり、優先的に病院での診察が受けられるようになったりするらしい。