「人道に対する罪」に関する国際法制定を――バチカン国連常駐代表(海外通信・バチカン支局)
昨年9月からニューヨークで開催中の第78回国連総会で、ウクライナ侵攻やガザ紛争での戦争犯罪や人道に対する罪といった人権侵害の疑いが強い状況を背景に、「人道に対する罪の予防と処罰」に関する国際法の草案が検討されている。
バチカンから見た世界(154) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)
教皇が自叙伝を刊行(4)―「貧者を忘れるな」と諭されアッシジの聖フランシスコを名乗る―
教皇ベネディクト十六世の生前退位という、カトリック教会史上でもまれな出来事を受けて執り行われた2013年の教皇選挙。ブエノスアイレス大司教のベルゴリオ枢機卿(ローマ教皇フランシスコの俗称はホルヘ・マリオ・ベルゴリオ)が、自身に多数の票が集まり、新教皇に選出されつつあることを感知したのは、何人かの有権者枢機卿から投げかけられた冗談や質問によってであったと、3月19日に刊行した自身の自叙伝で明かしている。
バチカンから見た世界(153) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)
教皇が自叙伝を刊行(3)―前教皇の生前退位後、権力闘争による教会分裂の危機に苦しんだ教皇フランシスコ―
1982年からのフォークランド紛争(マルビナス戦争)に敗北したアルゼンチン軍事独裁政権は、国民の支持を失い崩壊した。85年には、同政権によって殺害、拉致されて行方不明となった人々を弔い、彼らの正義を求めると同時に、軍政幹部の責任を追及する裁判が開始された。
対談・フィリピン残留日本人二世を支えて 石川義久在ダバオ日本国総領事、猪俣典弘PNLSC代表理事
戦前、フィリピンには多くの日本人が移住し、現地の人々と共に生きていた。しかし太平洋戦争で激戦地となり、戦後に多くの日系二世が現地に取り残された。彼らは、反日感情による差別や迫害を受けた上、日本人としても認められず今も無国籍状態のまま生きている。平均年齢が83歳になるフィリピン残留日本人二世の日本国籍回復をサポートする石川義久在ダバオ日本国総領事と、NPO法人フィリピン日系人リーガルサポートセンター(PNLSC)の猪俣典弘代表理事に、対談を通して取り組みに懸ける思いや今後の支援などを聞いた。(本文敬称略)
バチカンから見た世界(152) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)
教皇が自叙伝を刊行(2)―軍事独裁政権下の暗黒時代を生き抜いた教皇―
3月19日に刊行された自叙伝の中でローマ教皇フランシスコは、「若い頃、映画界で働く非常に優しい女性と婚約していたが、彼女は後に他の男性と結婚し、子どもを産んだ」と明かした。そればかりか、「神学生の時代に、叔父の結婚式で若い女性と出会い、彼女に目がくらみ、心が乱れた」「頭の中が混乱するほどの美貌の持ち主で、知的な女性でもあった」とも記している。「一週間ほど彼女の姿が念頭から消えず、祈ることさえ難しかったが、幸いにして克服できた」とも回顧する。
「“白旗”を掲げて和平交渉を――教皇がウクライナに進言」など海外の宗教ニュース(海外通信・バチカン支局)
“白旗”を掲げて和平交渉を――教皇がウクライナに進言
ローマ教皇フランシスコは、3月20日に放映予定であるスイスのテレビ局によるインタビューの中で、ウクライナ政府に対して「“白旗”を掲げて和平交渉する勇気を持つように」と促す発言をした。スイスのテレビ局が同9日、インタビュー内容の要旨を公表した。
3月5日は国連の「軍縮・不拡散に関する国際デー」――恐怖ではなく信頼を訴える教皇(海外通信・バチカン支局)
3月5日は、「核拡散防止条約」(NPT)が発効された(1970年)記念日にあたり、昨年の国連総会で「軍縮・不拡散に関する国際デー」に定められた日でもある。
比叡山延暦寺の水尾執行が来会 熊野理事長と懇談
天台宗総本山・比叡山延暦寺(滋賀・大津市)の水尾寂芳執行が1月25日、小鴨覚俊総務部長(副執行)らと共に東京・杉並区の立正佼成会本部を訪れ、事務庁舎応接室で熊野隆規理事長と懇談した。和田惠久巳総務部長、佐原透修総務部次長(渉外グループ)が同席した。
バチカンから見た世界(146) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)
3宗教間の融和なくして中東和平は実現できない(5)―「2国家共存」を拒否するイスラエル―
「47NEWS」は1月19日、イスラエルのネタニヤフ首相が18日の記者会見で、「バイデン米政権が求めるパレスチナ国家樹立による『2国家共存』を拒否する考えを改めて表明した。米側にも伝達したと述べた」という共同通信の記事を掲載した。さらに、「ヨルダン川西岸の全域について、将来的に『イスラエルが治安を管理する必要がある』とし、西岸のパレスチナ自治区への関与も強める意向を示した」と報じた。
ウクライナが「忘れられた戦争」とならないように――教皇の警鐘(海外通信・バチカン支局)
ロシア軍は昨年12月29日、ウクライナのキーウ、ハルキウ、リヴィウ、ドニプロ、オデーサ、ザポリージャなど主要都市を標的に大規模なミサイル攻撃を実行した。ウクライナ側には、約30人の死者が出た。






