【参議院議員・白眞勲さん】緊迫する北朝鮮情勢 今後の国際社会の対応は?

北朝鮮によるミサイルの連続発射、これに対する米軍原子力空母の日本海への展開など北朝鮮と米国の軍事的緊張が高まっている。5月下旬にイタリアで開かれた先進7カ国(G7=米国・英国・ドイツ・フランス・日本・カナダ・イタリア)サミットでも、北朝鮮問題が最重要優先課題として取り上げられた。かつて、韓国の有力紙「朝鮮日報」の日本支社長を務め、朝鮮半島の問題に詳しい白眞勲参議院議員に、北朝鮮の動向をめぐる情勢について聞いた。

挑発を続ける北朝鮮のねらいはどこに

――北朝鮮はなぜ、核実験やミサイル開発を進めているのか

北朝鮮は約2000万人の人口に対し、陸軍の兵力だけで100万人を超える強大な軍事国家です。それだけ軍事費が経済を圧迫していることになります。核を持つことで、兵士の数を減らして軍事費を抑え、国内経済の低迷を打開したいという思惑が、核の利用にはあると考えられます。

また、北朝鮮には自らの手で朝鮮半島を統一するという目的があり、それは憲法にも記されています。国威発揚といった側面が強いのですが、その目的を果たす手段として核実験やミサイル開発が進められています。

そして何より、核兵器を手放さない理由として、核兵器を持たなかったリビアのカダフィ政権や、イラクのフセイン政権が米軍などから攻撃を受け、悲惨な末路をたどった二の舞いは避けたいとする警戒感が挙げられます。米国の動きをけん制し、政権維持を図る交渉に持ち込みたいという考えの表れです。

――あくまで米国を意識しているのですね

朝鮮半島では1950年、北朝鮮が韓国に侵攻したことで、朝鮮戦争が勃発しました。53年に休戦協定が米国を中心とした国連軍の間で結ばれたのですが、あくまでも休戦であり、現在に至るまで戦争は終結していません。北朝鮮は米国と平和協定を結び、朝鮮半島を金正恩委員長の主導で統一する目的のため、挑発行動を繰り返しているのです。

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