ACRP執行委員会がシンガポールで開催
1976年11月、アジア宗教者平和会議(ACRP)が初開催され、シンガポールの地にアジア21カ国から約300人の諸宗教代表者が集った。それから、来年で50年ーー節目となる本大会を意義あるものとするため、ACRPの執行委員会が4月28日から30日まで、シンガポールの聖ジョセフ教会で開催された。18カ国から約50人が出席。ACRPの國富敬二監事(徳島教会長)、篠原祥哲事務総長らが参加した。
北海道支教区が政治学習会 未来を“共創”
「35・42%」。令和4年に実施された参議院議員選挙での10歳代の投票率だ。若者の政治離れが指摘されて久しいが、大人は彼らの声に耳を傾けているだろうか――。
【特別インタビュー 第42回庭野平和賞受賞団体 国際NGO「ムサーワー」アンワール理事長、ミル=ホセイニ理事】イスラームの教えや伝統を理解し知識を共有
「第42回庭野平和賞」を受賞した世界的な運動体「ムサーワー」は、「イスラームは公正であり、神は公正である」という信仰信条を持つ。イスラームの教えを基に男女平等や公正な社会の実現を目指して、イスラームに関する知識の構築と共有、メンバーの能力開発などに取り組んでいる。贈呈式のために来日したムサーワーの共同創立者であるザイナ・アンワール理事長、ジーバ・ミル=ホセイニ理事に式の翌日、庭野平和財団の庭野浩士理事長(選名・統弘)がインタビューした。その内容を紹介する。(文中敬称略)
「フォコラーレ運動の第2代会長を務めたマリア・ボーチェ女史が逝去」など海外の宗教ニュース(海外通信・バチカン支局)
フォコラーレ運動の第2代会長を務めたマリア・ボーチェ女史が逝去
2008年に逝去したフォコラーレ運動創設者のキアラ・ルービック女史の跡を継ぎ、21年まで同運動の第2代会長として世界182カ国、200万人のメンバーを指導したマリア・ボーチェ女史が6月20日、ローマ近郊のロッカ・デ・パパにあるフォコラーレ運動本部で亡くなった。87歳だった。
カズキが教えてくれたこと ~共に生きる、友と育つ~ (6) 写真・マンガ・文 平田江津子
「ひとりの生徒」として関わってくれた担任
小学校の卒業を間近に控えた頃、カズキに、中学校の就学先に関して「特別支援学校適」と書かれた入学指定通知が届きました。小学校6年間を特別支援学級に在籍していた経験から、学ぶ場を分けると、いくら交流をしてもどこかに“壁”があるように感じていました。「このままでは、カズキが地域社会で生きていくための素地ができない」と実感した私たち夫婦は、教育委員会に出向き、思い切って「普通学級」への転籍を希望しました。専門家から多少の反対があったものの、話し合いによってそれを叶(かな)えることができました。
「バチカンから見た世界」(168) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)
-国家イデオロギーとなった米国とロシアのキリスト教/教皇の説くキリスト教(1)-
ローマ教皇レオ14世は6月9日、120を超える国々からバチカンに参集したローマ教皇庁宣教事業部(POM)総会の参加者たちに向かい、キリストが弟子たちに直接になした問い、「人々の間で、人の子(人間となったキリスト)を何者だと思っているのか」(マテオによる福音書16章13節)を突き付けた。人間の救いと、キリスト教のみならず、世界諸宗教の存在理由に共通する問いだった。「人の救いは、人となり十字架上で亡くなったキリストのみ」にあり、その「キリスト」を国家イデオロギーとなったキリスト教で置き換えてはならない、との警告としても受け取れる問いなのだ。世界で民主主義が後退し、独裁政権、君主国家、強権政治へ向けた兆候が強まる中、政権を支える国家イデオロギーとなったキリスト教、ユダヤ教、ヒンドゥー教が台頭してきているからだ。
プノンペンで仏教・キリスト教対話会議——真理を伝え、癒やし、関係回復のための勇気ある道程へ(海外通信・バチカン支局)
バチカン諸宗教対話省は5月30日、同省がカンボジアのプレアシアヌーク・ラジャ仏教大学、同国のカトリック教会と協力し、首都のプノンペンで開催した「第8回仏教・キリスト教間対話会議」(5月27~29日)の「最終宣言文」をバチカン記者室から公表した。
「バチカンから見た世界」(167) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)
ローマ教皇レオ14世はなぜ世界平和を福音宣教の中心に置くのか
宗教の本質的な役割は「人の救い」にある。「救済論」(soteriology)を持たない、あるいは、忘れた宗教は、ただ単なる「イデオロギー」となっていく。現代史において、宗教が国家や民族のイデオロギーとなり、戦争や紛争を誘発した例は多くある。宗教そのものがイデオロギー化し、原理主義、狂信主義、暴力に走ったケースも多い。「地上の地獄」と呼ばれるウクライナやガザでの戦争にも、国家・民族イデオロギーとなった宗教が深く結びついている。「人間の救い」へ向けて、「世界平和」が、その最低条件として浮かび上がってきている。人類が、世界平和への努力なくしては、人間と環境の救いについては語れないという、極限的な状況に直面しているのだ。
カズキが教えてくれたこと ~共に生きる、友と育つ~ (5) 写真・マンガ・文 平田江津子
数々の出会いが導いた市民団体の設立
カズキが地域の小学校で特別支援学級に在籍していた時、普通学級で多くの時間を過ごさせてほしいと相談し続けました。でも、学校側は「別室での個別学習の方が彼の力を伸ばせる」と主張を曲げず、私たち夫婦は悶々(もんもん)とした日々を過ごしていました。
人類救済の“二千年祭”に向けて世界に散在する枢機卿が選ぶ新教皇(海外通信・バチカン支局)
ローマ教皇ベネディクト十六世が選出された2005年の教皇選挙(コンクラーベ)では、事前の下馬評で、長年にわたりバチカン教理省の長官を務めていた、ドイツ人のヨゼフ・ラッツィンガー枢機卿が唯一の候補者として挙げられた。予想は的中し、同枢機卿は2日間にわたる4回の投票で新教皇に選出された。