『望めど、欲せず――ビジネスパーソンの心得帖』(6) 文・小倉広(経営コンサルタント)

落ち込みと罪悪感は、自分でつくり出している

「あぁ、失敗した。あんなことしなければ良かった。なんて、自分はダメな人間なんだ……」

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回想録

月の光に包まれていると、なぜか自分が素直でいられるような気がしてくる。郷愁をも誘うのだろうか。あの日、故郷の四万十川流域の小さな集落は、淡い月の光の中で夢のようにゆらゆら揺れていた。辺りは静まり返り、清流の心地よい音色の中で、私はいつしか懐かしい歌のワンフレーズを口ずさんでいた。

生々流転

横山大観の「生々流転」を目にし、自然を撮ることの意味を感じた。山頂に降った雨が山肌を走り、谷川や大河を経て海に流れ込む。海に流れ込んだ水はやがて水蒸気となり再び山頂に雨を降らす。自然は長い時間をかけて命を育み、地球上の全てに恩恵をもたらしている。森は命の宝庫。自然を撮ることは命を見つめること。

森の肖像

森の姿は季節、時間、気候によって毎日変化してまさに一期一会の世界。雨が降った翌朝、八方台は雲に覆われる日が多く、普段とはまるで違った姿を見せる。辺り一面にガスが立ち込め、森は木の葉の色に染まり、まるでお伽(とぎ)の世界に迷い込んだかのようだ。私はため息が出るほどの感動の中でシャッターを切る。

現代を見つめて(11) 登校できない子のために 文・石井光太(作家)

登校できない子のために

今、日本では十二万人の小・中学生が不登校になっているとされている。その中で、フリースクールがスポットを浴びている。主に不登校の生徒が通う施設だ。

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追憶の道

マーガレットの咲く小道をどこまでも歩いていくと、遠い記憶の世界にいざなってくれそうな気分に見舞われる。小さな漁港を回って漁網を配達するアルバイトをしていた時、ひなびた漁村の道端に咲いていた野菊の美しさと夕暮れの優しい光に心惹(ひ)かれてつかの間の時を過ごした。それは遠い遠い昔、私がまだ学生だった頃の話。そんな思い出につながるほんのりと懐かしい追憶の道だ。

香り立つ

初夏の草木が一斉に輝きを放つ頃になると、柔らかな草木の香りが漂い、野山は一層麗しさを際立たせる。人間の乾いた心にも、潤いを与えてくれるのだ。刻一刻と姿を変えていく自然の姿――美しい季節の移り変わりは、生きていることの不思議さと、自然の恩恵のありがたさを教えてくれる。

ほ~っと

柔らかい光に包まれた湖面は鏡のように静かで、一艘(いっそう)の釣り船だけが時間の流れを感じさせてくれる。思えばあわただしい喧噪(けんそう)の中で、何もかも見失ってしまいそうで、ゆっくり立ち止まることさえなかった。柔らかな光の中でとろけてしまいそうな空気に包まれて、何のためらいも欲もなく、赤子のようにいつまでもほ~っと身をゆだねていたい。

立正佼成会 庭野日鑛会長 5月の法話から

5月に行われた大聖堂での式典から、庭野日鑛会長の法話を抜粋してまとめました。(文責在編集部)

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地域の非営利団体に協力する「一食地域貢献プロジェクト」(7) 児童養護施設「おさひめチャイルドキャンプ」(伊那教会が支援)

「ただいま!」。午後3時を過ぎ、子供たちが学校から帰ってくると、途端に園内がにぎやかになった。「おかえりなさい!」と、子供たちを迎える職員も、みんな笑顔だ。

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