追憶の道

マーガレットの咲く小道をどこまでも歩いていくと、遠い記憶の世界にいざなってくれそうな気分に見舞われる。小さな漁港を回って漁網を配達するアルバイトをしていた時、ひなびた漁村の道端に咲いていた野菊の美しさと夕暮れの優しい光に心惹(ひ)かれてつかの間の時を過ごした。それは遠い遠い昔、私がまだ学生だった頃の話。そんな思い出につながるほんのりと懐かしい追憶の道だ。