雪化粧

もう誰も取らなくなった残り柿に雪が積もる――私はこの光景が好きで、毎年ここに来る。白一色の世界に赤い柿の実が彩をつけ、真冬に灯を見るようなほっとした気持ちになる。まるで日本画を感じさせる光景を眺めながら、私は心の引き出しから、美しさを表現する大切な何かを取り出そうと、シャッターを押す。

黎明

黎明の朝は幻想的な輝きに満ちる。何とも言えない清冽(せいれつ)な空気に包まれる。季節は初冬へと移行し、湖に今までの華やかさやにぎわいはない。湖面に蒸気霧が立ち上り、ゆっくりと流れ行く、この季節ならではの美しさを保っていた。私は、はやる心を抑えながら、もう二度と出会えないであろう瞬間をカメラに収めた。

艶やかに

木々は冬を迎える前に糖分をいっぱい貯めて艶やかに輝く。まるで役者の舞台衣装のようにきらびやかに着飾って終わりを迎える。時が流れるのは一瞬。紅葉の美しさを見るたび、やがて訪れる終焉(しゅうえん)のわびしさに思いをはせる。

天地創造

旧約聖書の創世記に描かれた天地創造。その世界観が具体的にどのようなものかを伝える自信はないが、この風景を見ていると確かに神が創造したという思いがこみ上げてくる。一方、日本人の自然崇拝は深く神々と関わっていて、荘厳な風景と出合うたびに、人々の心の中に存在する神々の領域につながっているような気がしてくる。

山が燃える

空を焦がして夕日が落ちる――。まるで山全体が燃え上がるような光景に圧倒されて声も出ない。夢中でシャッターを押すが、幻想なのか現実なのか区別もつかない。こんな「不思議」に出会うことはもう二度とないだろう。そんなことを思いながら感動と感謝の念が湧き起こってくる。

中央学術研究所の「第10回善知識研究会」 日本人の宗教意識をテーマに

『日本人の宗教意識の過去・現在・未来――宗教が日本社会で果たしてきた役割とその未来像を探る』をテーマに、立正佼成会中央学術研究所による「第10回善知識研究会」が10月21、22の両日、東京・杉並区にある本会のセレニティホール、行学園、佼成図書館で開催された。同研究所講師、客員研究員、学林生など、約120人が出席した。

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心象スケッチ

早朝の湖畔に立ち昇る朝霧は、古い幻灯機に映し出された風景のような危うさがある。夢とも現実ともつかない不思議な感覚が、私の心を虜(とりこ)にして、浮かんでは消え、消えては浮かぶ残像のような景色を、私は印象派のような情熱で記録する。

天鏡の譜

湖に映る風景を見ていると、ふと神々が映す「天上の鏡」ではないかと思うことがある。人間のちっぽけな知恵とか傲慢(ごうまん)とか、そんなことを思い知らされる時だ。ともすると、ああだったら良いのに、こうなれば良いのにと、自然を自分の条件で考えてしまう。神々の映し出す「天鏡の風景」は、そんな私に警鐘を鳴らしてくれるのだ。

ピアノソナタ月光より

ベートーヴェン自身は「幻想的ソナタ」と記した。そのタイトルにふさわしく、特に第一楽章はしっとりと魅惑的な曲だ。「月光」の呼び名は、後に詩人のルートヴィヒ・レルシュタープが「ルツェルン湖の波に揺らぐ小舟のよう」と称したことから名付けられたという。美しく柔らかな月の光の中で、揺れる小舟のような感動を覚えながら、私はシャッターを切る。

本会が国立千鳥ヶ淵戦没者墓苑で慰霊法要

立正佼成会の主催する「第59回千鳥ヶ淵戦争犠牲者慰霊法要」が9月23日、東京・千代田区の国立千鳥ヶ淵戦没者墓苑で行われ、東京教区の会員ら約150人が参集した。

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