地域の非営利団体に協力する「一食地域貢献プロジェクト」(6) NPO法人「かながわ難民定住援助協会」(大和教会が支援)

難民の生活を支援するNPO法人「かながわ難民定住援助協会」で4月中旬、一本の電話が鳴った。県内の私立高校に子供を通わせている難民定住者の母親からで、子供が海外研修に行くが、ビザの取り方が分からず困っている、という相談だった。

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現代を見つめて(9) ナイロビのスラムに見た 助け合う習慣 文・石井光太(作家)

ナイロビのスラムに見た 助け合う習慣

ケニアのナイロビは、世界でも治安の悪い都市として知られている。特に郊外には貧困者が暮らすスラムが広がっていて、現地人でも近づこうとしない。

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歓喜の声が聞こえてくる

6千億年前に地球が誕生してから今日まで、気の遠くなるような時間の中で繰り返されてきた自然の営み。未明の空がやがて茜(あかね)色に染まり、しばらくして太陽が昇り始めると辺りはキラキラ輝き始め、そこらじゅうから歓喜の声が聞こえてくる。繰り返し繰り返し営まれる自然の輪廻(りんね)転生。湖岸に立ち6千億年の果てしない時間の流れに私は思いを馳(は)せる。

楽園

新緑の森は楽園のように美しい。
爽やかな空気に包まれて谷あいのせせらぎや小鳥たちのさえずりを聴いていると、いつの間にか夢の世界に迷い込んだような気持ちになってくる。自然が与えてくれる至福の時間を大切にしながら、私は今ここにいられることの幸せと有り難さをかみしめる。

光のシャワー

5月末とはいっても、朝の寒さは身に染みる。ゆったりした流れの長瀬川は太陽が昇ると次第に変化し始める。太陽の光で暖められた川面から次第に川霧が立ち昇り、木立の間から差し込む光芒(こうぼう)が「光のシャワー」となって降り注ぎ、清冽(せいれつ)な朝の空気に輝きを与える。私はシャッターを切りながら自然の恵みに感謝し、その日一日爽やかな気持ちでいっぱいだった。

現代を見つめて(8) 生徒にとって図書室は大切な居場所 文・石井光太(作家)

生徒にとって図書室は大切な居場所 

私の通っていた中学校の図書室は、いつも窓から陽が射して暖かかった。本棚にはきれいな色の背表紙が並んでいて、印刷のにおいがうっすらと漂う中で、生徒たちのひそひそ声や小さな笑い声がする。

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東京佼成ウインド 東京芸術劇場で第133回定期演奏会 「ピアノと吹奏楽のための協奏曲」などを披露 

東京佼成ウインドオーケストラ(TKWO)の「第133回定期演奏会」が4月29日、東京・豊島区の東京芸術劇場コンサートホールで開催された。

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バチカンから見た世界(14) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

礼拝中の宗教者を攻撃する者は、宗教者にあらず

イタリア北部トリノにある「新宗教研究所(CESNUR)」の統計によると、昨年、自身の信仰を守ったために殺害された世界のキリスト教徒の総数は9万人に上った。また、5~6億人のキリスト教徒が、信教の自由が十分に保障されない状況下で生活しているとのことだ。特に、中東やアフリカで「イスラーム」を名乗る過激派組織が台頭し、キリスト教徒を迫害するようになってから、世界のキリスト教界では「殉教のキリスト教一致」といった表現が聞かれるようになった。キリスト教の諸教会が、「殉教者」によって一致しているというのだ。

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早春賦

“春は名のみの風の寒さや”早春賦の詩を思い浮かべる。4月下旬とはいえ裏磐梯の春はいまだ浅く、木立は冬眠から冷めやらぬかのように湖面に影を落として季節の訪れを心待ちにしている。柔らかな光がたゆたう時間の長さを計って春の兆しを告げるかのよう。

宵待ち桜

ライトアップされて眠ることも許されなくなった桜を見るのは悲しい、それに比べて薄暮の中で観る桜は妙に艶やかで美しく、春の宵のとろけるような空気感と相まって何処からか甘い香りが漂ってきそうで、なんとも幸せな気分にしてくれる。