バチカンから見た世界(34) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

相対する二つのエキュメニズム

イエズス会の機関誌「チビルタ・カトリカ」が、米国のキリスト教原理主義を特徴付けるマニケイズム(善悪二元論)について分析したことを伝えた。同誌は、さらにもう一つの特徴として「繁栄の神学」を挙げる。マックス・ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』を基盤とするピューリタニズム(清教徒主義)から、強き宗教、社会、政治的影響力を行使し、メディアの世界で活躍する富豪の牧師や宗教団体によって説かれる「繁栄の福音」へと変貌した原理主義だ。「神は、信徒たちが身体的に健康で、物質的に富み、個人的に幸福であることを望まれる」と説く。

続きを読む

秋雨の五線譜

自然の造形にはいつもハッとさせられる。コスモスの茎についた雨粒が音符のように思えて、どこからかフルートの音色が聞こえてきそうだ。美しい自然に出会うたびに自分が一つ豊かになったようでうれしい。一期一会の出会いに感謝。

実りの秋

およそ3000年も前から米作りが行われてきたという。脈々と受け継がれてきた米作りは日本の歴史であり、魂でもある。9月生まれの私は、実りの秋を迎え稲穂の香りが辺り一面に漂う頃になると、故郷の優しさに包まれたようで訳もなくうれしさがこみ上げてくる。黄金色に輝く田舎の風景は、日本人の魂のルーツ。

そばの花咲く

30年ほど前、平国盛一行が落ち延びたとされる東祖谷(徳島・三好市)の民家でそば粥(がゆ)をごちそうになった。その味は素朴で、深い歴史の味わいがした。その後、ご主人の勧めで村はずれのお堂に祀(まつ)られた平家の赤旗を見た。色褪(あ)せた赤い旗は一族がたどった悲哀の色のような気がした。裏磐梯の、朝露の光に輝く純朴な白い花を見ると、あの日の記憶とともに歴史の無常が思い浮かぶ。

本会職員が憲法学習会 「あすわか」の種田弁護士を講師に、憲法20条の理解深め

日本国憲法の意義について学びを深める、立正佼成会の職員を対象とした憲法学習会(全5回)の最終回が9月7日、大聖ホール(東京・杉並区)で実施された。31人が参加した。「明日の自由を守る若手弁護士の会」(あすわか)で活動する種田和敏弁護士が講師を務めた。

続きを読む

開祖記念館の公開講座 映画監督の千葉氏が講演

立正佼成会の開祖記念館による公開講座「出会いを語る」(全5回)の第5回が9月3日、法輪閣大ホール(東京・杉並区)で行われ、映画監督の千葉茂樹氏が講演した。同講座は、庭野日敬開祖の功績の顕彰が目的。東京西支教区の会員607人が参集した。

続きを読む

『望めど、欲せず――ビジネスパーソンの心得帖』(7) 文・小倉広(経営コンサルタント)

心身一如

健康管理はビジネスパーソンの基本です。それは、なぜでしょうか。若い頃の私は「会社を休まないため」「倒れないため」と考えていました。しかし、今は違います。「仕事の品質を高めるため」には体調管理が必須である、と気づいたのです。

続きを読む

盆花の咲くころ

お盆のころになると、水辺にミソハギの群生が見られる。この辺りではミソハギを盆花と呼ぶ。開拓に入った先駆者たちが、厳しい自然と苦しい生活の中で、先祖に花を供える余裕もなく、お盆のころに咲くミソハギを手折って供えたからだという。この話を思うたびに、私は美しい自然の裏に隠された悲しみの歴史に思いを巡らせる。

輝き

朝の光を受けて全てが輝き、一日が始まる。水と空気と太陽と、何一つ欠けても成り立っていかない自然のサイクルの中で、有史以来、永い時間をかけてたどり着いた今朝の風景。空は晴れ渡り、太陽は輝き、いつもと変わらぬことの恩恵に感謝しつつ、この地球という命の星の輝きがいつまでも変わらぬことを願ってシャッターを切る。

その一瞬を撮ろう

朝露が太陽に輝き、ぷるぷると震えながら大地に落ちる、その感動を撮ろう。季節が移り草花が実を結び、時は休むことなく過ぎていく、その真実を撮ろう。絶え間なく揺れ動く心の記録の、その一瞬を撮ろう。