本会が「ウクライナ緊急募金」を再開 厳しい冬を越す人々を支援

困難な状況に置かれたウクライナの人々が、東ヨーロッパの厳しい冬を越すための支援を目的に、立正佼成会はこのほど、「ウクライナ緊急募金」の再開を決定した。

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共生へ――現代に伝える神道のこころ(21) 写真・文 藤本頼生(國學院大學神道文化学部教授)

神紋は個々の神社や御祭神を示すシンボルでもあり、神社の歴史や由緒の一部

小生はいわゆる掃苔家(そうたいか)、“墓マイラー”ではないが、時折、各地の墓苑に赴いて調査を行うことがある。近年の墓苑では、墓石の表面に「〇〇家之墓」といった名称がなく、「倶会一処(くえいっしょ)」といった仏教にちなむ言葉をはじめ、花や楽譜、その人が好んだ文章や四字熟語、あるいは生前の事績が記されるなど、さまざまな形式の墓標が見られる。現代社会における墓は、かつてのような均一的なものでなく、多様な墓の在り方が共存しているのだ。

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バチカンから見た世界(130) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

「人類の友愛に関する文書」を指標に戦争の荒海を航海しよう――教皇

バーレーン王室が11月3、4の両日に同国で開催した「対話のためのバーレーン・フォーラム――東洋と西洋の人類共存のために」でスピーチしたイスラーム・スンニ派最高権威機関「アズハル」(エジプト・カイロ)のアハメド・タイエブ総長は、同フォーラムが「21世紀に生きる人類の男女が、『苦い果実』をかみしめている時に開催された」とコメントした。同総長の指摘する“苦い果実”とは、「戦争、流血、破壊、貧困、孤児、夫を亡くした女性、移民、避難、未知の未来と、想像もできない暗黒に対する恐怖」などだ。これらは、「市場経済、富の独占、貪欲、消費主義、第三世界諸国に向けた殺戮(さつりく)に使われる重兵器の輸出に加え、宗教や宗派、民族の違いによる紛争の拡大、暴動や紛争の扇動、安定した国家の不安定化」などの犠牲者なのだという。

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砂漠に立つ“生命の木”――教皇のバーレーン訪問(海外通信・バチカン支局)

諸宗教対話による世界平和の構築に向けた貢献を求める、ローマ教皇フランシスコの巡行が続けられている。教皇は11月3日、「対話のためのバーレーン・フォーラム――東洋と西洋の人類共存のために」に参加するため、バーレーン中部のアワリを訪れ、ハマド・ビン・イーサ・アール・ハリーファ国王の歓迎を受けた。

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利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(68) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

統一的管理システムと全体主義

安倍晋三氏の国葬が終わった。各種世論調査では評価しない人の方が多く、岸田内閣支持率はさらに下落を続けている。やはり、安倍氏関連の人々の「盛者必衰(じょうしゃひっすい)」が始まっているようだ。

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内藤麻里子の文芸観察(38)

夕木春央さんの『方舟(はこぶね)』(講談社)は、衝撃的な作品だ。極限状態で究極の選択を迫る本格ミステリーなのだが、なんと言おうか、定番の本格ものだと油断していたら、とんでもない目に遭った。

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こども食堂から築く共に生きる社会(9) 文・湯浅誠(認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ理事長)

未来を生きる子どもたちへ――「バトン」を手渡す私たちの生き方

自分の暮らす地域がずっと続いていくためには、今何をすればいいか――こども食堂はその答えの一つだと前回書きました。

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「戦争に“聖”はない――キリル総主教」など海外の宗教ニュース(海外通信・バチカン支局)

戦争に“聖”はない――キリル総主教

世界教会協議会(WCC)は10月19日、イオアン・サウカ総幹事代行とロシア正教会の最高指導者であるキリル総主教が、17日にロシアの首都モスクワで懇談した内容を明かした。

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“平和の叫び”を継承して――「世界平和祈願の日」から36年(海外通信・バチカン支局)

ローマ教皇ヨハネ・パウロ二世が、1986年に世界の諸宗教指導者に呼びかけ、イタリア中央部にある聖都アッシジで「世界平和祈願の日」を実現させてから36年が経過した。その「アッシジの精神」を継承する聖エジディオ共同体(カトリック在家運動体=本部・ローマ)主催の「第36回世界宗教者平和のための祈りの集い」が10月23日から25日まで、『平和の叫び』をテーマに、ローマ市内のコンベンションセンター「ラヌヴォラ」と、ローマ帝国時代の古代史跡「コロッセオ」で開催された。世界50カ国の諸宗教指導者、政治指導者や識者らが参集。立正佼成会から、赤川惠一国際伝道部部長、佐原透修総務部次長(渉外グループ)、水藻克年ローマセンター長、加瀬育代渉外グループスタッフが参加した。

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現代を見つめて(77) 旅が教えてくれるもの 文・石井光太(作家)

旅が教えてくれるもの

国が観光需要を喚起させるために行う「全国旅行支援」がスタートし、久々に旅行熱が高まり出している。対象となるのは、主に娯楽としての国内旅行であり、コロナ禍によって長らく停滞した観光産業を活性化させるのが目的だ。

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