忘れられた日本人――フィリピン残留日本人二世(5) 写真・文 猪俣典弘

「助けて」と言える社会は、「つながる力」のある社会

国民の約90%がキリスト教徒であるフィリピン

フィリピンでは国民の約9割がキリスト教徒のため、クリスマスを喜びに満ちた特別な日と受けとめます。イエス・キリストという大いなるプレゼントが世界にもたらされたことをみんなで祝い、喜びを分かち合う――この「分かち合い」の精神こそが、フィリピン社会の底力となっているのです。

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長期化するウクライナ侵攻に涙を流す教皇(海外通信・バチカン支局)

ローマ教皇フランシスコは12月8日、ローマ市内のスペイン階段付近にある「無原罪の聖母マリア像」に赴き、像の片腕に花輪を捧げ、崇敬の意を表した。

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えっ、これも仏教語!?(69) 【ならく】奈落

梵語(サンスクリット語)「ナラカ」の音写の転訛(てんか)です。

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共生へ――現代に伝える神道のこころ(22) 写真・文 藤本頼生(國學院大學神道文化学部教授)

日本の神々と人と馬の関係性――社会を支え、神を乗せる貴重な存在

かつて、ある神社の宮司さんと談笑していた際、「私はまもなく80歳を迎えるが、例祭ではいまだに装束姿で馬に乗っているんだよ」とおっしゃっていたのを思い出した。この言の通り、各地の神社では時折、祭礼行事にて馬に騎乗した神職らの姿を見ることがある。

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ウクライナ侵攻によって倍増したイスラエルのユダヤ人移民(海外通信・バチカン支局)

ユダヤ人国家であるイスラエルは、ユダヤ人と2親等までの血族関係であることを条件に、世界に散在するユダヤ人とその家族を受け入れ、国籍を与えている。同国内で施行された最近の調査結果によれば、2022年度に移民としてイスラエルへ入国したユダヤ人の総数は7万人に達し、前年比で倍増したとのことだ。ローマ教皇庁外国宣教会(PIME)の国際通信社「アジアニュース」が12月2日に報じた。

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教皇がウクライナ国民に向けて公開書簡(海外通信・バチカン支局)

ローマ教皇フランシスコは11月25日、ロシアによるウクライナ侵攻から9カ月が経過したことを機した公開書簡をウクライナ国民宛てに発表した。

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現代を見つめて(78) 子供たちと向き合って 文・石井光太(作家)

子供たちと向き合って

文部科学省の発表によれば、国公立の小中学校の不登校(三十日以上欠席)の生徒数が二十四万人を突破したそうだ。少子化にもかかわらず九年連続で増加しており、前年度比で二十四.九%増となっている。病欠、別室登校、フリースクール登校の生徒を含めれば、事態はより深刻だ。

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笑トレで元気に――健康と幸せを呼ぶ“心の筋トレ”(4) 文・日本笑いヨガ協会代表 高田佳子 (動画あり)

『時間とは命のこと』

産婦人科医で日本笑い学会副会長の昇幹夫先生は、「笑いと健康」の著名な講師です。彼の講演にこういうものがあります。

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忘れられた日本人――フィリピン残留日本人二世(4) 写真・文 猪俣典弘

「一食を捧げる運動」に育てられた奨学生が支援の担い手に

戦争の憎しみを乗り越え、懺悔と慰霊が築いてきた対話と交流

立正佼成会の会員がフィリピンを訪問したのは、1973年のことでした。「第1回青年の船」が就航し、約500人の青年部員が渡航先の一つであるフィリピンの地に降り立ったのです。当時はまだ、フィリピン各地に戦争の傷痕が生々しく残っていました。日本軍によって多くの同胞を殺され、社会を破壊され、尊厳を踏みにじられたフィリピンの人々の怒りと哀しみに直面した青年たちは言葉を失ったそうです。そこから、立正佼成会の青年による「慰霊と懺悔(さんげ)」の取り組みが始まりました。

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信教の自由に向けた法制度の改革を――ASEAN国会議員グループ(海外通信・バチカン支局)

東南アジア諸国連合(ASEAN)に加盟する10カ国の国会議員で構成される「人権擁護のためのASEAN国会議員グループ」がこのほど、『規制の多様性――信教と信仰の自由に関する法制度の概観』と題したレポートを発表した。ASEAN加盟国の政府に対し、「信教の自由の保障、宗教的少数派の擁護を促進し、『公共の秩序』『(社会の)調和』といった理由で基本的人権に関する規制の強要を正当化しないように」とアピールした。ローマ教皇庁外国宣教会(PIME)の国際通信社「アジアニュース」が11月19日に報じた。

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