「普門館からありがとう~吹奏楽の響きたちへ~」来場者の思い

共に普門館を目指した仲間とステージを訪れると、自然に笑みがこぼれる

▼日本管楽合奏コンテストの帰りに、吹奏楽部の仲間と一緒に来ました。ツイッター上で、多くの吹奏楽ファンが普門館に集っていること、自然発生的に「宝島」の演奏が始まることを知ったので、自分もそこに加わりたいなと思いました。実際にどこからともなく、アゴゴの音が鳴り、イントロの演奏が始まった時はうれしくて、1本のトロンボーンをパートの仲間と順番に吹きながら、楽しい時間を過ごしました。普門館は吹奏楽部の先輩たちから“聖地”であると聞いていましたが、会場が変わった今、私たちにとって絶対に立つことのできない憧れの場所でした。最初で最後ですが、立つことができて良かったです。私たちの学年は全国大会に出場することはできませんでしたが、その夢は後輩たちに託したいと思います。
(10代・女性・神奈川・高校生)

▼吹奏楽部の顧問の先生が全国大会常連校の出身で、普門館が開放されると教えてくれたので、仲間と一緒にここで吹きたくて、同じフルートパートのメンバーと共に来ました。開放期間中、私は今日で3回目の来場になります。先生はいつも、普門館のステージに立てた当時の演奏のことを、とてもうれしそうに話してくれます。そのたびに私は、立ったことのない黒い床を想像し、そのうちに、チャンスがあるなら一度は立ちたいと憧れるようになりました。本物の黒い床は自分の姿がうっすら映るほどピカピカで、想像以上。この舞台に立てたのは夢のようです。時々、ステージ上で自然に曲の合奏が始まり、鳥肌が立ちました。若い人、高齢の人、制服姿の学生からスーツの人まで、みんなが一つの曲の演奏に加わり、音の輪が広がっていく様子が感動的で、音楽には人をつなげる力があるのだと実感しました。いろいろな人の思いがこもっているこのステージに、最後の最後に立つことができてうれしいです。
(10代・女性・東京・高校生)

▼33年ぶりにこの舞台に立ちました。高校生の頃に吹奏楽部に所属していて、1年生の時は関西大会で敗退してしまったんですが、“絶対にこの舞台に立とう”という思いがあって、2年生、3年生で念願を果たすことができました。初めての普門館は緊張で周りが見えていませんでしたが、3年生のラストは2回目ということで少しは余裕が出て、“より良いものを皆さんに届けたい”という思いで臨み、自分たちの中で満足のいく演奏ができました。広さといい、重厚感といい、本当に素晴らしい舞台ですね。普門館は僕たちにとって頂点の場所でした。形は消えても僕たちの記憶から消えることはありません。
(51歳・男性・奈良)