「普門館からありがとう~吹奏楽の響きたちへ~」来場者の思い

▼近所に住んでいるのですが、この場所が公園になるということで、音楽に夢を馳(は)せている学生たち、普門館に強い思いを持つ方たちが普門館のステージに立つ姿をぜひ見てみたい、と思って参りました。楽器を手にした彼らの姿に、大変感動しました。長らく音楽の仕事をしていたので、普門館のことはよく耳にしていたのですが、舞台関係者だった知人からは、日本で一番舞台排出口が大きく、舞台の照明や機材を持ってきた人も非常にやりやすかった、と聞きました。見えないところでもさまざまな方が普門館に携わってこられたんだと思います。立正佼成会の方たちが大切にされてきたこのステージで、本当にたくさんの方が思い出をつくってもらったわけですから、素晴らしい財産ですね。
(渡部洋二郎さん・70歳・東京)

▼先ほど合奏を聴き、全国大会を目指していた頃のことを思い出しました。高校3年間、この普門館のステージに乗ることだけを考えていました。神奈川県代表として普門館に立った時はうれしかったのと、先輩たちの悔しい思いなど、自分たちが背負ってきたものをやっと果たせたっていう、言葉にならない感動がありました。卒業の2年後に顧問の先生が亡くなられ、それも思い出して涙が出ました。先生から教わったのは「音楽は心」ということ。何を伝えたいか。それを表現するために音楽があると教えてもらったことを覚えています。当時はつらいこともありましたが、全国大会で金賞を取るという目標を達成でき、幸せでした。
(42歳・女性)

▼高校2年、3年生の時に、全日本吹奏楽コンクール全国大会に出場し、普門館のステージに立ちました。時々、普門館を訪れては外観の写真を撮ったりしていたのですが、ステージに立つのは32年ぶりです。先月、吹奏楽部の仲間と集まったのですが、ピッコロを担当していた友人が「実は、全国大会の本番で入場する時に、楽譜が手からすり抜けて、せり上がりの装置のわずかな隙間に入って奈落に落ちてしまって」と話してくれました。皆でびっくりして、懐かしい話に花が咲きました。厳しい練習に耐え、皆で心を分かち合って出場することができた普門館。黒いステージで演奏するのが夢でしたから、私にとっては本当に特別な場所です。部活では、演奏前に「赤とんぼ」を全員で歌って心を一つにしていました。顧問の先生からは、音楽は「心が大事」と、裸足でのトイレ掃除もさせられて、厳しかったのですが、愛ある指導を受けました。そんなことも全て普門館に出場するためで、今日、3年生の時に「イゴール・ファンタジー」を演奏したことを思い出すと、涙がこぼれました。「最高のステージをありがとう」。普門館には、その言葉しかありません。
(K.Sさん・50歳・女性・静岡)

▼家族を持ってから、一度普門館に吹奏楽コンクールを見に来たことがあります。自分も高校時代、吹奏楽部でコルネットを吹いていたんです。それから25年経った2008年に「宝島」を聴き、もう一度吹きたくなって、トランペットを買いました。今日、普門館で来場した皆さんと「宝島」を演奏でき、うれしかったですね。演奏を通して、普門館には、たくさんの方の思い出が詰まっていることを感じました。そして、東京佼成ウインドオーケストラの生演奏を間近で聴くことができ、涙があふれました。音楽と普門館に出あえたことに感謝しています。
(伊藤健彦さん・52歳・神奈川)