利害を超えて現代と向き合う
利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(64) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)
日本の命運がかかる参議院選挙
7月に参議院選挙が予定されている。メディアの報道量が少なく、まだ意識していない人が多いようだが、この選挙には日本の運命がかかっている。昨年の衆議院選挙に比して野党間の協力が弱体化していて与党の勝利が予想されており、衆議院に続き、参議院の3分の2以上を改憲に前向きな政党が占める可能性が大きい。首相が4年間衆議院を解散しなければ、今後3年間は国政選挙がないかもしれない。そうなった場合、この間に戦後日本の平和主義的な理念や方針がなくなり、日本は戦争を行う国家へと変わっていくことを覚悟しておかなければならないだろう。
利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(63) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)
イスラームとの「文明の衝突」
ウクライナでの戦いは、なお続いている。ロシアは首都キーウ(キエフ)の攻略に失敗したが、東部ドンバス地方と南部の支配へと目標を下方修正して、戦争は長期化の様相を見せている。注目されていた戦勝記念日(5月9日)の演説で、プーチン大統領は侵攻を正当化した。
利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(61) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)
ロシアのウクライナ侵攻
コロナ禍がなお続く中、2月24日にウクライナへのロシアの侵攻が生じて世界が震撼(しんかん)している。理由はともあれ、ロシア一国の判断による他国への武力侵攻は国際法違反に他ならず、これを許したら、世界に戦争が次々と起こりかねない。ナチス・ドイツのポーランド侵略を想起させる深刻な事件であり、それが第二次世界大戦の起点となったように、世界大戦への導火線になることすら憂慮される。
利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(59) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)
明暗を超えて栄福の時代へ――二極化と価値観の変化
危惧していたように、やはり第6波が始まり、オミクロン株の脅威も身近に迫りつつある。さほど深刻にならずに正月を祝えた地域が多かったのは、せめてもの幸いだった。昨年は1月8日に緊急事態宣言が出たわけだから、ほぼ同じ時期に感染急増が繰り返されているわけだ。私たちは再び不要な外出を控え、徳をもって行動を自制し、最大限の自衛をしなければならない。
利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(55) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)
“コロナ敗戦”の政治的因果
東京の感染者数は、東京五輪開催中から急上昇して医療崩壊が生じ、ついに日本の感染状況は世界の中でも有数の水準に達してしまった。自宅などで死亡した感染者も当然増え、8月には全国で250人、都内だけで112人確認された(朝日新聞=9月13日、TBSニュース=9月14日)。