TKWO――音楽とともにある人生♪ トランペット・ガルシア・安藤真美子さん Vol.3

自分の音楽を好きになる それが上達の秘訣

――奏者としてもパートナーなのですね。まさに音楽とともにある人生だと感じます。音楽の素晴らしさを知るために、ぜひ吹奏楽に励む中学生、高校生にアドバイスを

まず聞いてみたいことがあります。「自分の楽器のことは好きですか?」と。私は小学校でトランペットを手にした時に、“最高のおもちゃ”を手にしたようにうれしく、トランペットに興味津々でした。耳に入ってくる曲の中にトランペットの音が聴こえると胸が高鳴り、同じ曲を私も吹きたいと思ったら、自分で“耳コピ”して譜面を作ったりしました。

教える立場になって生徒を見ていると、「自分の楽器が好きかな?」と思うことがあります。部活の中でただ与えられた楽器を練習して、コンクールの曲を何カ月もかけて仕上げて、コンクールが終わった瞬間に燃え尽きている生徒を何人も見てきました。そうした様子を見ていると悲しい気持ちになります。巡り巡って、自分の楽器と出合えたのですから、その“縁”を大切にしてほしいと思います。楽器に好奇心を持って、どんどん好きになると演奏がうまくなりますよ。

演奏がうまくなる練習のコツは、今の自分の練習が、ステージでの演奏にどのようにつながるのかをイメージして臨むことです。ステージの上で何ができなければいけないかと考えてみる。音色、強弱、リズム、歌い方、音域など――そのためにどんな練習をすればいいのかを考えるのです。

漠然と練習するだけの“練習のための練習”になってはいませんか。先生や先輩に言われた練習を淡淡とこなすことだけになっていませんか。それではちょっともったいないですね。「今、練習していることがステージで演奏する理想の自分に近づいている」という意識を持って日々の練習に取り組むと、向上心が芽生え、練習が楽しくなっていきます。

プロフィル

がるしあ・あんどう・まみこ 1974年、愛知・名古屋市生まれ。名古屋市立菊里高等学校音楽科、東京藝術大学音楽学部卒業後、シエナ・ウインド・オーケストラに入団。2002年にTKWOに移籍した。ギタリストの夫、エドアルド・ガルシア氏とトランペットとギターのデュオ「シエンプレ・デュオ」を結成。アルゼンチン音楽を中心とした演奏を手掛け、各地でライブ活動を行っている。