ちょっと軽く、ストレッチしてみましょう(4.ふくらはぎのつり) 加瀬剛(スポーツトレーナー、佼成学園高アメフット部ヘッドトレーナー)

「体幹を鍛えることで当たり負けない体をつくる」をモットーに、佼成学園高校アメリカンフットボール部「ロータス」の全国大会3連覇に貢献したスポーツトレーナー加瀬剛氏。日頃は、接骨院の院長として、一般の人々のケアにも当たっている。体の構造を知り、毎日をしなやかに過ごすにはどうすればいいか――体の専門家としてアドバイスする。(※ケアの方法を動画で紹介)

今回は、一般的な「ふくらはぎのつり」について説明します。

スポーツ中や朝方にふくらはぎをつってしまった経験はありませんか?

この連載が始まってからずっと、「肩こりや腰痛などの障害は筋肉を必要以上に伸ばすことが原因」であるとお伝えしてきました。これもふくらはぎを構成する筋肉の伸ばし過ぎが原因で起こります。

今まで数多くのふくらはぎのつりの治療を行ってきましたが、ほとんどは筋肉の炎症による筋肉の収縮不全によるものです。収縮不全には、いろいろな原因があります。運動、水分や電解質(ナトリウム、カリウム、カルシウムなど)の不足、冷え、血流障害などです。

ふくらはぎを後ろから見た場合、筋肉は大まかに三層で構成され、その一番奥、いわゆる脛(すね)である脛骨(けいこつ)近くにある細い筋肉が、今回の“主役”となる後脛骨筋(こうけいこつきん)です。名前のごとく、脛骨の後ろにある筋肉で、この筋肉は前回説明したインナーマッスルの一つです。

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