ちょっと軽く、ストレッチしてみましょう(11.ぎっくり腰) 加瀬剛(スポーツトレーナー、佼成学園高アメフット部ヘッドトレーナー)

「体幹を鍛えることで当たり負けない体をつくる」をモットーに、佼成学園高校アメリカンフットボール部「ロータス」の全国大会3連覇に貢献したスポーツトレーナー加瀬剛氏。日頃は、接骨院の院長として、多く人のケアに当たっている。体の構造を知り、毎日をしなやかに過ごすにはどうすればいいか――体の専門家としてアドバイスする。(※ケアの方法を動画で紹介)

ぎっくり腰

重たい荷物を持ち上げようとした時、突然腰に「ギクッ!」と強烈な痛みが走って動くことができなくなる。「やってしまった!」と思っても、もうどうすることもできない。痛みをこらえながらうずくまるだけ……。あまりにも強い痛みに突然襲われることから、欧米では「魔女の一撃」とも呼ばれています。

大抵の方は、「ぎっくり腰」と聞けばその痛みを理解して同情します。それは、人にとって腰の痛みは非常につらいものであり、腰痛を経験したことが3人に2人はいるからでしょう。

ちなみに、慢性的な腰痛を持っている方は、「ぎっくり腰」を繰り返しやすいので注意が必要です。

実はこの「ぎっくり腰」、正式な病名ではありません。正式名称は「急性腰痛症(きゅうせいようつうしょう)」といって、急に腰が痛くなる症状を指します。

「ぎっくり腰」は重いものを持ち上げる時だけでなく、さまざまな要因で発症します。ですから、痛みが生じている場所の筋肉や関節などによって、症状も対処方法も異なってきます。

今回は、筋肉が関係している「ぎっくり腰」を取り上げます。

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