ちょっと軽く、ストレッチしてみましょう(7.膝の痛み・上) 加瀬剛(スポーツトレーナー、佼成学園高アメフット部ヘッドトレーナー)

「体幹を鍛えることで当たり負けない体をつくる」をモットーに、佼成学園高校アメリカンフットボール部「ロータス」の連覇に貢献したスポーツトレーナー加瀬剛氏。日頃は、整骨院の院長として、一般の人々のケアにも当たっている。体の構造を知り、毎日をしなやかに過ごすのはどうすればいいか――体の専門家としてアドバイスする。(※ケアの方法を動画で紹介)

膝の痛み・上

歩いている時、階段の上り下りの時に、突然、膝が「ガクッ」と抜けそうになった経験はありませんか?

ほとんどの方が「膝が原因」と考えると思いますが、実は膝が原因ではないことが多いのです。

膝はとても良くできた関節です。真っすぐ屈伸するのであれば、何万回でも折り曲げをすることができます。例えば、フルマラソンを走ると4万5000回くらい膝を動かすことになります。つまり片方の足は2万回以上屈伸しているのです。

ちなみに、1日1万歩あるく人は、月に約30万回も膝を曲げている計算になります。膝の関節は本来、これくらいの動きに何十年も対応できるのです。そんな膝に痛みが出た場合、多くは膝の故障ではなく、骨盤や足首の異常によるものです。

膝は通常、つま先と同じ方向に屈曲をしなければなりません。つまり、真っすぐ曲がれば膝に支障は出てきません。

しかし、股関節が外側に開いてしまうと、足首からつま先も外側を向くようになります。そして膝も外側を向きます。この状態で歩行すると、足を持ち上げた時の膝は外側に向かって屈曲しますが、足の裏が地に着く時の膝は進行方向に力が入るようにできていますから、膝はどうしても内側にねじれてしまうのです。

つまり、骨盤や足首に異常が生じてくると、膝がねじれながら歩くことになり、そのまま、屈伸を繰り返すと炎症が生じて、痛みが出てくるのです。

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