インタビュー

【子どもの貧困対策センター 公益財団法人あすのば代表理事・小河光治さん】「相対的貧困」に苦しむ子供たち 「共助」「公助」の両輪で育てる社会に

長引くコロナ禍に加え、物価や光熱費の高騰などが貧困世帯をさらに追い詰めている。そこに暮らす子供は、経済苦で家族の団らんや進学の機会などを奪われているという。こうした「相対的貧困」に陥る日本の子供は7人に1人に上る。貧困に苦しむ子供たちに希望を届けたいと、小河光治さんが代表理事を務める「子どもの貧困対策センター 公益財団法人あすのば」では、「政策提言」「支援団体への中間支援」「子供たちへの直接支援」を事業の柱に活動を展開している。小河さんに、コロナ禍での子供の貧困の現状、問題解決に向けた具体的な支援などを聞いた。

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【国境なき医師団 手術室看護師・白川優子さん】紛争地の看護師として、いのちに寄り添い生きる希望へつなぐ

世界には、武力紛争や天災、迫害などで生命の危険にさらされながら、医療を受けられない人々がいる。危機に瀕(ひん)した人に独立・中立・公平な立場で緊急医療援助を届けているのが「国境なき医師団(Médecins Sans Frontières=MSF)」だ。同団の手術室看護師を長年務めてきた白川優子さんは、シリア、イエメンなどの紛争地を中心に10カ国で18回の海外派遣に参加。声なき声に寄り添い、命をつないできた。紛争地医療の現実、派遣先での交流、ウクライナ危機について聞いた。

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【認定NPO法人妊娠SOS新宿理事長・佐藤初美さん】「誰にも言えない」性暴力被害 徹底的に寄り添う支援の在り方

近年、女性が家族や恋人などから受ける性暴力被害の件数が増加している。2020年の内閣府調査では、女性の約14人に1人が、無理やりに性交などを強要された経験があると判明した。

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【WCRP/RfP日本委理事長・戸松義晴さん】平和への一歩につながる行動を共に――非暴力訴え、祈り続けて

世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会の新理事長に、戸松義晴・浄土宗心光院住職(浄土宗総合研究所副所長)が選任された。戸松氏は、仏教徒でありながら、ハーバード大学神学校において応用神学、生命倫理学を学び、神学修士号を取得。その経験を活かして医学部で教壇に立ち、生命倫理の講義を英語で行いながら、いのちの尊厳と日々向き合っている。また、全日本仏教会理事長、日本宗教連盟理事長を歴任し、日本の宗教界をけん引してきた。このたびのWCRP/RfP日本委理事長就任にあたり、諸宗教協力の意義や今後の活動について聞いた。

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【NPO法人日越ともいき支援会代表・吉水慈豊さん(僧侶)】社会全体で支え、受け入れて 外国人労働者と共に生きる

NPO法人日越ともいき支援会の吉水慈豊代表のスマホには、SNSを通して毎日10件以上の“SOS”が届く。少子高齢化による労働力不足が顕在化する日本で働く、ベトナム人の技能実習生などからだ。コロナ禍の中で不当解雇に遭い、家を失って路頭に迷うケースもあるという。同支援会では、彼らが安心して暮らせるよう、生活の補助、受け入れ企業や監理団体との交渉、外国人技能実習機構への相談、再就職支援など多岐にわたるサポートを行う。吉水代表に、ベトナム人技能実習生たちの現状、外国人労働者の受け入れ制度などについて話を聞いた。

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【海獣学者・田島木綿子さん】海の哺乳類が教えてくれた人間との共存の在り方

クジラ類が海岸に打ち上げられる現象を「ストランディング」と呼ぶ。日本国内では、年間300件近くが報告されている。原因は諸説あるが、人間社会の発展も一部に関与しており、年々その割合は増加している。これまで20年以上、国立科学博物館(以下、科博)の研究者として海の哺乳類の解剖調査に携わってきた田島木綿子さんに、海獣の魅力、研究を通じて学んだこと、人間との共存の在り方について聞いた。

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【関西大学教授・串崎真志さん】繊細さは豊かな内面がある証し その特性を発揮して自分らしく

人に気を使い過ぎて疲れる、周りのささいな言動に動揺する、匂いや音が気になる――。近年の研究で、こうした繊細な感覚を持つ人が、およそ4人に1人の割合で存在することが分かってきた。心理学で「HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン=繊細な人)」と呼ばれる彼らは、環境の変化に敏感なためストレスを抱えやすいが、一方で高い共感力や想像力を併せ持ち、他者の気持ちに寄り添えるポジティブな力もあるという。臨床心理学の観点からHSPを研究する関西大学の串崎真志教授に、HSPと呼ばれる人の特徴や、繊細な性格をうまく活用し、一人ひとりが自分らしく生きていくための方法を聞いた。

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【コミュニケーション戦略研究家・岡本純子さん】人とのつながりは人生の糧 誰もが孤独を癒やす存在

人々のつながりが希薄になった現代では、「孤独」が深刻な社会問題となっている。2021年2月、内閣官房に「孤独・孤立対策担当室」が新設され、国による対策が講じられるようになった。しかし、新型コロナウイルスの流行で、孤独に苦しむ人々の状況はむしろ悪化していると言える。身心を蝕(むしば)み、貧困や自死の原因にもなり得る孤独。長年、中高年男性の孤独を研究してきた岡本純子さんに、孤独に陥らない生き方について聞いた。

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【国連UNHCR協会・中村恵さん】緒方貞子氏から受け継ぐバトン 学び、行動し、次世代へつなぐ

2022年2月、日本人で初めて国連難民高等弁務官を務めた緒方貞子氏に関する著書『難民に希望の光を 真の国際人緒方貞子の生き方』(平凡社)が発刊された。著者は、認定NPO法人国連UNHCR協会で事務局長特命(渉外担当)を務める中村恵さん。UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の職員として、緒方氏のもとで難民の保護と支援に取り組んだ後、退官した緒方氏の仕事を数年間、パーソナル・アシスタントとして支えた。「緒方さんの生きざまは、誰もが自分の置かれた環境の中で、自分という存在を最大限に育て上げて生きるための指針になるに違いない」と述べる中村さんに、緒方氏の功績、生き方から学んだことなどを聞いた。

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【思考の整理家®・鈴木進介さん】思考をシンプルにすることで、大切にすべきことを見いだして

目まぐるしく情報が行き交う現代だからこそ、「自らを見つめて思考を整理していくことが大切」と企業コンサルタントを務める、思考の整理家の鈴木進介氏はそう強調する。新型コロナウイルス、地球温暖化の影響が深刻化し、人工知能(AI)の導入、終身雇用の崩壊などで産業や社会の構造が大きく変動する中で、「大切にすべきことを見いだして自分らしく生きるためにも、それが必要」と訴える。独自の研究を重ねて、「難しい問題をやさしく解きほぐす思考の整理術」を体系化してきた鈴木氏に、「自分」を見失わない方法や苦境を乗り切る考え方を聞いた。

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