TKWO――音楽とともにある人生♪ コントラバス・前田芳彰さん Vol.1

日本トップレベルの吹奏楽団として知られる東京佼成ウインドオーケストラ(TKWO)。演奏会をはじめ、ラジオやテレビ出演など、多方面で活躍する。長年、全日本吹奏楽コンクールの課題曲の参考演奏を行っており、特にコンクールを目指す中学生・高校生の憧れの存在でもある。今回は、TKWOのメンバーで唯一の弦楽器を担うコントラバス奏者の前田芳彰さん。管弦楽団に所属していた経歴もある前田さんに、コントラバスの特徴や役割、さらに楽器との出合いや音楽の道に進んだきっかけなどを聞いた。

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男たちの介護――(1) 50年間連れ添った妻が脳腫瘍に 突然始まった介護

心身ともに限界を感じ

自転車を点検した。妻が言った不具合は見つからない。買い物から帰ってきた妻からこう頼まれたのだ。「帰り道、ハンドルがグラグラしたから見てほしい」。ハンドル部分をもう一度調べてみたが、やはり異常は見つからなかった。「おーい、大丈夫だぞ」「おかしいわね。グラグラしたんだけど」。平成24年12月、東海地方に暮らす山田房雄さん(81)と、1歳年下の妻・ユキさんとのやりとりである。この些細(ささい)な出来事が、なぜか房雄さんの心に焼きついた。

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「時代」の声を伝えて――文学がとらえた80年(23)番外編7 文・黒古一夫(文芸評論家)

ユートピアを求めて(7)――本当の「豊かさ」とは?

これまでにも何度か言及してきたように、近代あるいは戦後の日本は、「豊かさ」を求めて必死に走り続けてきたと言っても過言ではない。それは1960年代半ばに流行った「エコノミック・アニマル」という言葉が象徴しているし、GDP(国民総生産)世界第二位(現在は第三位)は、その見事な結果であった。

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気づきを楽しむ――タイの大地で深呼吸(22) 写真・文 浦崎雅代(翻訳家)

あなたが大事にしていることを、僕も大事にするよ

日本各地を10日間、一人旅した。今、タイへと戻る空港のロビーでこの原稿を書いている。旅の主な目的は、講演や瞑想(めいそう)会。縁ある方々からお招き頂き、名古屋、石川、大阪、京都、東京を動き回る充実した旅であった。

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バチカンから見た世界(72) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

人間復興につながる経済を望むローマ教皇

11月18日、カトリック教会の「第2回貧しい人のための世界祈願日」を迎え、バチカンでは聖ペトロ大聖堂でミサが執り行われた。

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