利害を超えて現代と向き合う

利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(31) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

新政党の登場から考える公共性の理念

首相側近が目立つ新内閣の顔ぶれには倫理性が感じられず、日韓の紛争には鎮静化する兆候がない。前回(第30回)に書いたように、社会から公共性が減退していくに従って、自由が後退し、戦争の危険がもたらされる。参院選で初めて議席を獲得した、「NHKから国民を守る党」(N国党)の出現からも、この問題が垣間見える。

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利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(30) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

選挙結果をどう見るか

皆さんは先月の参院選にどのような関わり方をされただろうか。投票率は5割を切り、民主主義の空洞化や危機が報じられている。与党が改選議席の過半数を獲得して“勝利した”と報じられ、安倍首相は国民の信任を得たとして、自身が争点にしようとしていた改憲のための議論を呼び掛けた。

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利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(29) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

選挙における宗教的・哲学的視座(1) 政治的倫理と道義

前回の寄稿を執筆した後も、日本外交の不調が続いている。安倍首相のイラン訪問は、アメリカとの仲裁ができずに両国の戦争の危険が高まった。日本でG20が開催されていた頃にアメリカのトランプ大統領は日米安保が不公平だと述べ、その直後には日本が知らないうちに、歴史的な米朝会談が決まって実現した。

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利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(28) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

令和初の国政選挙で大事なこと

令和時代が始まって、まもなく初の国政選挙を迎える。私たちは、新時代にふさわしい政治をつくっていくことができるだろうか。

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利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(27) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

令和の意味とその理想を実現する道

今月になって、新しい年号の考案者と目されていた国文学者の中西進氏が「文藝春秋」に寄稿して、事実上それを認め、令和を「『麗しき平和をもつ日本』という意味だ」と解説し、「麗しく品格を持ち、価値をおのずから万国に認められる日本になってほしいという願いが込められている」と述べたという(朝日新聞5月10日付)。そうしてみると、政権の思惑を超えて人々がこの年号を用いるために先月に私が書いた「令和」の意味は、考案者の思いそのものだったということになる。

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利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(26) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

「令和」という新年号

「令和」という新年号が発表された。「昭和」に続いて「和」が用いられた。「平成」の「平」と合わせると、「平和」となる。「昭和」時代には世界大戦が起こったし、第24回で述べたように、「平成」の時代は「平和に成る」という願いとは逆に混乱や紛争が世界で起こってしまった。「令和」の時代には、今度こそ平和が実現してほしいものだ。

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利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(25) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

世紀転換期としての平成

前回(第24回)に書いたように、平成という時代は、「平和に成る」という願いが込められた年号であったにもかかわらず、実際には紛争や戦争が起こり、混迷の時代となって終わりつつある。それはなぜだろうか。

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利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(24) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

平和への願いが込められた年号

昨年末に、幕末・明治の時代を考えた。大正、昭和を経て、今は平成である。今上天皇が今年の4月30日で退位される予定なので、平成時代は1989年1月8日に始まって、20世紀末から21世紀初頭にわたり、30年113日間で終了することになる。この時代はどのようなものだっただろうか。

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利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(23) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

一年の計

一年の計は元旦にあり、というから、新春にそれを考えた人も多いだろう。昨年は4回にわたって明治維新について考えてきたので、その歴史を振り返りつつ今後の日本を考えてみよう。

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利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(22) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

明治からの公共的政治の系譜

前回に述べたように、公議・公論・公道という公共的政治の理念は、幕末に生まれて「五箇条の御誓文」にも現れ、明治憲法下における議会政治として限定的ながら実現した。専制政府との抗争を経て政党が台頭し、1924-32年には、衆議院の多数党が内閣を組織する「憲政の常道」として、立憲政友会と立憲民政党との二大政党による政権交代が行われるようになったのだ。

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