バチカンから見た世界
バチカンから見た世界(110) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)
オリンピックの選手村は教皇の夢――イタリア選手団随行神父
新型コロナウイルスの感染拡大(第5波)への恐れ、日本国民の多数が開催を反対し、人類が歴史の中で共有してきた価値観を揶揄(やゆ)した開会式のショーディレクターを開幕直前に解任するといった、逆風と混乱の中で始まった東京オリンピック――。
バチカンから見た世界(109) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)
憎しみ合わない勇気を――イスラエル・パレスチナ問題
ユダヤ教、キリスト教、イスラームの聖地であるエルサレムの帰属をめぐる問題は、イスラエル・パレスチナの対立、さらには、中東和平全体に関わる最大の難関といわれる。
バチカンから見た世界(108) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)
中東和平の最大の難関 聖都エルサレム問題が再燃
「私たちは何百回も目にし、言ってきた。聖都エルサレム問題に触れると、宿命であるかのごとく暴力と苦痛が広まり、全ての人々を巻き込む、と。中東紛争の中核はいずれの時も聖都の問題なのだ。教皇ヨハネ・パウロ二世が認めていたように、エルサレムに平和が来なければ、他の地域にも平和は来ないのだ」。これは、カトリック教会聖地管理局のイブラヒム・ファルタス神父の発言だ。
バチカンから見た世界(107) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)
他の宗派、宗教との出合いが豊かな対話の場になる――教皇がメッセージ
カトリック教会は、9月の最終日曜日(今年は9月26日)を「世界移民・難民の日」と定めている。第107回を迎える今年のテーマは『より大きな“私たち”に向かって』。ローマ教皇フランシスコが5月6日、今年の取り組みに向けてメッセージを発表した。
バチカンから見た世界(106) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)
「共に天を見つめ地を歩こう」 教皇がイラクの諸宗教指導者に呼びかけた言葉の意味
2003年に起きたイラク戦争の直前、ローマ教皇ヨハネ・パウロ二世は、同国のサダム・フセイン大統領と米国のジョージ・ブッシュ大統領に特使を派遣した。米国を中心とする有志連合による軍事介入を回避するためだった。
バチカンから見た世界(105) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)
人類救済の歴史の出発点である古代都市ウルから友愛を説く教皇
ローマ教皇フランシスコは3月5日から8日まで、イラクを訪問した。5日午前にはバグダッドにある大統領官邸にバルハム・サリフ大統領を表敬訪問し、その後、会見に臨み、大統領、政府関係者、諸宗教指導者、市民の代表、各国の駐イラク大使を前にスピーチした。
バチカンから見た世界(104) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)
「アブラハム」を信じて――教皇のイラク訪問
『旧約聖書』の創世記に、「アブラハム」という人物が登場する。チグリス川とユーフラテス川が合流する地点に栄えた都市ウル(現・イラク)で生まれ、唯一の神から「あなたの故郷、親族、父の家を捨て、私が示す地(約束の地・カナン=現在のパレスチナ、イスラエルを中心とする地域)に向けて旅立て」というお告げを受け、神からの言葉のみを頼りに、見知らぬ土地へと向かった人物だ。
バチカンから見た世界(103) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)
教皇のイラク訪問を前に
ローマ教皇フランシスコは、3月5日から8日までイラクを訪問する。70人ほどの国際記者がバチカンで新型コロナウイルスワクチンの接種を受け、随行する。2人の日本人記者も含まれている。滞在中、イスラーム・シーア派の最高指導者であるアヤトラ・アリ・シスタニ師と懇談する予定になっている。国内だけでなく、湾岸諸国のシーア派ムスリム(イスラーム教徒)から敬慕されている宗教指導者だ。