バチカンから見た世界
バチカンから見た世界(90) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)
イランのアーヤトッラーが教皇に親書 新型肺炎の世界的流行は人類友愛の時
イラン・コムにある国際大学「アルムスタファ」の学長であるアリレツァ・アラフィ師(アーヤトッラー=イスラーム・シーア派の高位指導者)はこのほど、ローマ教皇フランシスコに宛て親書を送った。新型コロナウイルスが世界に蔓延(まんえん)している状況にあって、「啓示宗教(ユダヤ教、キリスト教、イスラーム)の共同体は人類に奉仕していかなければならない」とのメッセージを寄せたものだ。
バチカンから見た世界(89) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)
教皇が訪日に託した思い(3)――声なき貧しい人々と地球環境を代弁し核兵器廃絶訴え
ローマ教皇フランシスコは訪日中の11月24日、長崎と広島から、核エネルギーの軍事利用が「倫理に反している」ことを訴えた。
バチカンから見た世界(88) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)
教皇が訪日に託した思い(2)――「教皇の訪日は最も素晴らしい旅行だった」
バチカンのマテオ・ブルーニ広報局長が、バチカン記者室にある佼成新聞のボックスオフィスに来て言った。「教皇フランシスコの訪日は、彼の諸国歴訪の中で最も素晴らしいものだった」と。
バチカンから見た世界(86) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)
教皇の訪日を前に(2)――日本での布教を夢見た教皇
ローマ教皇フランシスコが2013年3月13日に選出されて数日後、バチカン記者室詰めの国際記者たちを代表し、新教皇に直接、あいさつする機会を与えられた。当時のバチカン報道官のフェデリコ・ロンバルディ神父(イエズス会)から「バチカン記者室の最年長記者の一人です」と紹介され、新教皇の柔らかい手を握り締めながら、「イエズス会が運営する東京の上智大学の出身です」と自己紹介した。そして、「教皇ヨハネ・パウロ二世と同じように、日本においで頂けますか?」と伺うと、「私は(1987年に)日本に行ったことがあります」との答えが返ってきた。「日本で、お待ちしております」と申し上げた。
バチカンから見た世界(85) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)
教皇の訪日を前に(1)--貧者がキリスト教の予言のアイコン
ローマ教皇フランシスコの訪日が迫ってきた。教皇は日本の人々に、どのようなメッセージを伝えようと思っているのだろうか? アジアのカトリック司教協議会連盟議長でヤンゴン大司教(ミャンマー)のチャールズ・ボー枢機卿は、2017年に教皇の受け入れに務めた体験を基に、次のように述べている。
バチカンから見た世界(84) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)
実践のプロセスへ 具体化する“人類友愛のための文書”
「人類の友愛に関する文書」に記された精神を世界に広く伝え、その実現を果たすために創設された「人類の友愛高等委員会」。9月11日にバチカンにあるローマ教皇フランシスコの居所「聖マルタの家」で開かれた第1回会合で教皇は、高等委員会を「友愛の手職人」と評し、委員会が「手を差し伸べるだけでなく、心をも開放する、新しい取り組みの始まり」になるようにと願った。
バチカンから見た世界(83) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)
「人類の友愛に関する文書」実現のため高等委員会設置
「人類の友愛高等委員会」の初めての会合が9月11日午前8時半から、バチカンにあるローマ教皇居所の聖マルタの家で開催された。この高等委員会とは、教皇フランシスコとイスラーム・スンニ派最高権威機関「アズハル」(エジプト・カイロ)のアハメド・タイエブ総長が今年2月にアラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビで署名した「人類の友愛に関する文書」の精神を世界に広く伝え、その実現を果たすためのもの。UAEの提案によって設立された。
バチカンから見た世界(82) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)
対立と分断が広がる世界に示す「人類の友愛」(1)
本稿をつづっていた7月15日、立正佼成会は、文化間、宗教間の対話に取り組む「アブドッラー国王宗教・文化間対話のための国際センター」(KAICIID)を支持する声明をウェブサイトで発表した。同声明文は、「本年6月以来、サウジアラビアにおける人権問題に端を発し、オーストリア国内でのKAICIIDの地位が不安定な状態に置かれていることを私たちは憂慮しています」と記している。
バチカンから見た世界(81) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)
イスラームの祝祭日に合わせ、人類の友愛を実践する諸宗教者
6月上旬にイスラームのラマダン(断食月)が終わり、世界のムスリム(イスラーム教徒)たちが「断食明けの祝祭日」(イド・アル・フィトル)を祝った。