残念ながら、21世紀といえども女性は子供の頃から“女”という枠にはめ込まれて育つ。徐々にその枷(かせ)に異を唱える声は沸き起こっているものの、社会は一気には変わらない。『あとかた』(2013年)、『男ともだち』(2014年)などで女性の生きづらさを繊細に描いてきた千早茜さんが、新刊の『ひきなみ』(角川書店)で、繊細さに力強さが加わった物語を紡ぎ出した。
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「嫌な気持ち」をあなたはどこまで許せる?
前回の記事で、ネット通販大手アマゾンで定価の数倍で売られている「鬼滅の刃マンチョコ」を買った話を書いたところ、読者の方から「高額転売」の問題に触れる行為だというご意見を頂戴(ちょうだい)しました。
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こども食堂はみんなの居場所
地域のにぎわいをつくる「こども食堂」は、貧困家庭の子にも、「ふつう」の家庭の子にも、すべての子どもにとって意味のある場所だという話をしてきました。しかし、それだけではありません。こども食堂は大人にとっても意味のある場所です。
こども食堂なのに大人が行っていいの? と思う方もおられるかもしれませんが、全国に5000カ所あるこども食堂の8割は、誰が行ってもいい場所で、大人もたくさん参加しています。
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青山文平さんの『泳ぐ者』(新潮社)は、異色の時代小説だ。本格ミステリーの形を取って妙味ある謎解きをする縦軸に、主人公が生きる道を模索する横軸が絡み合う。そのどちらからも、現代の私たちの心を奪う光が投げかけられてくる。
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SNSの落とし穴
社会現象になっているマンガ「鬼滅の刃」。我が家でも小学生の息子と妻が夢中になり、単行本全23巻+外伝+ファンブックが全て揃(そろ)っています。父親の私も、ネット通販大手アマゾンで定価の数倍で売られている「鬼滅の刃マンチョコ(30個セット)」をとうとう買ってしまいました。オマケのシールを集めずにはいられないという習性を幼児期に刷り込まれた、アラフォーのビックリマン世代の悲しい性(さが)です。
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人との関わりから生まれる“一生ものの言葉”
前回、「コロッケ事件」や「雪の日事件」といったエピソードを通じて、こども食堂が貧困家庭の子に対処している様子をお伝えしました。それは「支援」「対策」と聞いて私たちがイメージするものとは違うけれども、たしかに「支援」「対策」になっている、と言えます。
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『やがて海へと届く』(2016年)、『くちなし』(2017年)など、人の思いを繊細につづってきた彩瀬まるさんの新作『草原のサーカス』(新潮社)は、これまでの作品にはめられていた狭い枠が取り払われた。とんでもない試練が襲う大きな物語を構築する中で、生きることとは、仕事とは何かを問いかけてくる。
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SNSはコミュニケーションを広げる?
この10年間で、SNSは電話やメールと並ぶコミュニケーションの手段として普及しました。現時点で、どのくらいの人がSNSを利用しているのでしょうか。
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こども食堂って?(2)
前回、こども食堂は地域の多世代交流拠点だと書きました。子どもからお年寄りまで、地域の多様な人々が集う機会が減り続けてきました。しかし人々は、「減ったね」「さびしくなったね」と嘆くだけではなく、自らにぎわいを取り戻そうと動き始めています。
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窪美澄さんの『ははのれんあい』(角川書店)は、どこにでもいそうな家族の歳月を柔らかな筆致で描く。出産、死別、離婚など、さまざまな節目を経て変わっていく家族の形を追い、さらにその先を見はるかすような物語になっている。
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