社会問題と宗教の役割
2月18日より3月2日までの13日間、日本からの二人の僧侶と共にニューヨーク州北部の都市イサカを訪れ、現在、同地域で顕著に表れている過疎化とそれに関連したさまざまな社会問題、そしてアメリカを代表する問題である人権についての歴史を学んだ。私たち三人を迎えてくださり、親切丁寧に指導を頂いたのは、コーネル大学宗教学プログラムのディレクター、ジェーンマリー・ロー教授(以後、先生)である。
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新政党の登場から考える公共性の理念
首相側近が目立つ新内閣の顔ぶれには倫理性が感じられず、日韓の紛争には鎮静化する兆候がない。前回(第30回)に書いたように、社会から公共性が減退していくに従って、自由が後退し、戦争の危険がもたらされる。参院選で初めて議席を獲得した、「NHKから国民を守る党」(N国党)の出現からも、この問題が垣間見える。
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いま一度「助け合う」精神を
――夫婦で老後資金が二千万円必要になる。
先日、そんな金融庁の報告書の言葉に、国民の多くが動揺した。政治家たちは慌てて火消しを図ったが、現実はそこまでちがわないだろう。
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選挙結果をどう見るか
皆さんは先月の参院選にどのような関わり方をされただろうか。投票率は5割を切り、民主主義の空洞化や危機が報じられている。与党が改選議席の過半数を獲得して“勝利した”と報じられ、安倍首相は国民の信任を得たとして、自身が争点にしようとしていた改憲のための議論を呼び掛けた。
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日々を大事に、今この時を生きる
2019年1月6日、新年の第一日曜日である。米・ニューヨーク市のマンハッタン中心部にある精進料理の名店「嘉日 Kajitsu」で新年の坐禅会が開かれた。京都の名店、老舗京生麩専門店「麩嘉」を母体とする嘉日さんは、その本格的なしつらえと、何よりも上質な精進会席で多くのニューヨーカーの心をとりこにしてきた。
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いのちの授業を受けた子どもたち(1)
私は現役の復元納棺師です。事故や災害、遺体の発見が遅れたことによる腐敗などで、生前のおもかげをなくされた方を元に戻してご家族にお返しし、もう一度出会い直して頂くお手伝いをしています。「おもかげ復元師」とも呼ばれています。
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誇りが持てる社会
社会には様々な職業があるが、過酷な労働環境に置かれている人たちは少なくない。仕事の性質上、どうしてもトラブルに見舞われやすいものもある。
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東日本大震災を振り返って(3)――震災から半年~1年
2回にわたって、東日本大震災発生から数カ月の期間で被災地で必要だった物や、私が出会った人たちについて紹介しました。今回は、震災発生後半年から1年ぐらいについて記します。それぞれの時期の特徴や、被災者に求められた物のことを伝えておくことが大切だとの思いが強くあります。
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選挙における宗教的・哲学的視座(1) 政治的倫理と道義
前回の寄稿を執筆した後も、日本外交の不調が続いている。安倍首相のイラン訪問は、アメリカとの仲裁ができずに両国の戦争の危険が高まった。日本でG20が開催されていた頃にアメリカのトランプ大統領は日米安保が不公平だと述べ、その直後には日本が知らないうちに、歴史的な米朝会談が決まって実現した。
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