ピアノソナタ月光より

ベートーヴェン自身は「幻想的ソナタ」と記した。そのタイトルにふさわしく、特に第一楽章はしっとりと魅惑的な曲だ。「月光」の呼び名は、後に詩人のルートヴィヒ・レルシュタープが「ルツェルン湖の波に揺らぐ小舟のよう」と称したことから名付けられたという。美しく柔らかな月の光の中で、揺れる小舟のような感動を覚えながら、私はシャッターを切る。