雪化粧

もう誰も取らなくなった残り柿に雪が積もる――私はこの光景が好きで、毎年ここに来る。白一色の世界に赤い柿の実が彩をつけ、真冬に灯を見るようなほっとした気持ちになる。まるで日本画を感じさせる光景を眺めながら、私は心の引き出しから、美しさを表現する大切な何かを取り出そうと、シャッターを押す。