新型コロナウイルスへの対応の中で 教えを支えに日々を過ごす会員たち(50)

(イメージ写真)

新型コロナウイルスの感染拡大が続き、立正佼成会ではさまざまな集いを控えています。こうした中、会員はどのような思いで過ごしているのでしょうか。それぞれの場で精進を重ね、家族やサンガ(教えの仲間)たちと心をつないでいる会員の声を紹介します。今回は、北広島教会支部長です。

祖母がくれた娘と向き合う時間

北広島教会支部長(45歳、女性)

北広島教会の発足30周年記念式典が行われた4月1日、94歳の祖母が老衰で亡くなりました。親のように私の成長を見守り続けてくれた感謝を伝えたい、来世でも幸せに過ごしてほしい――。そんな願いから、祖母の葬儀にあたり、私がお戒名をつけさせて頂くことになりました。

翌日、お戒名を書くことを考えながら、教会道場に向かう準備をしていると、そばにいた小学4年生の娘が、「お戒名って何?」と尋ねてきました。出発の時間が迫っていたので、〈急いでいるからごめんね〉という言葉が出そうになりました。しかし、祖母に思いを馳(は)せてもらうチャンスだと思い直し、「生まれ変わった後、幸せに過ごせるようにと願ってつけるお名前のことよ」と伝えました。

すると娘が、「ひいおばあちゃんが喜んでくれそう」と言って、「美」という字を考えてくれたのです。おしゃれが大好きで、外出前には必ず鏡の前で身だしなみを整えていた祖母の姿が思い返され、胸が熱くなりました。

祖母を思って一所懸命に漢字を考えてくれた娘の優しさに、また、お戒名の話を通してご先祖さまを大切にしようねと親子で話せたことに、〈祖母が有り難い機会をくれたのだ〉と感じました。

振り返ると、新型コロナウイルス感染症が流行する前は、日々の生活に追われて身近な家族と丁寧に触れ合うことが少なかったように感じます。私がお役をしている姿を見て、佼成会について興味を持ち、さまざまな質問を投げかけてくれる娘に対しても、「帰ってきてからね」と後回しにすることもありました。娘とはいつでも話せる、そう思っていましたが、毎回、佼成会の教えを伝える大事なチャンスを逸していたのです。

自粛生活の中で、家族と過ごす時間が増え、娘と向き合う時間を大事にしてきました。その時間があったからこそ、今回、目の前の縁を大事にすることの大切さに気づけたのかもしれません。この学びを心に留めて、今後も多くの人の話を真摯(しんし)に聞き、一瞬一瞬の触れ合いを大切にしていきたいと願っています。