新型コロナウイルスへの対応の中で 教えを支えに日々を過ごす会員たち(46)

(イメージ写真)

新型コロナウイルスの感染拡大が続き、立正佼成会ではさまざまな集いを控えています。こうした中、会員はどのような思いで過ごしているのでしょうか。それぞれの場で精進を重ね、家族やサンガ(教えの仲間)と心をつないでいる会員の声を紹介します。今回は、葛飾教会壮年部長です。

相手に寄り添い、気持ち受けとめ

葛飾教会壮年部長(59歳、男性)

昨年12月、自ら命を絶った女性タレントのニュースが流れました。私は驚くとともに、悩みを抱えていても、周囲の人が気づかない場合が少なくないのだと感じました。

大学1年生の息子がリビングに来た時、思わず「何か悩みがあったら、すぐに父さんに話してくれよ」と発していました。すると息子は「僕は、お母さんには悩みを話すけど、お父さんには話さないよ」と言ったのです。

予想外の返答にショックを受け、すぐに理由を尋ねました。息子は「お母さんは気持ちを全部聞いてくれるけど、お父さんは、解決策ばかり言ってくる。それでは僕の気持ちはスッキリしないよ。だから話したくないんだ」と答えたのです。

さらに衝撃を受けましたが、「相手の言葉をよく聞かせて頂いて」という教会で教えられた言葉が頭をよぎりました。息子に「本当のことを言ってくれてありがとう。これからは気をつけるよ」と声をかけると、笑顔を返してくれました。

コロナ禍の影響で在宅勤務になり、家族と過ごす時間が増え、妻が電話でサンガや友人の悩みを聞いている姿をよく見ます。息子の言葉を通して、妻に相談する人が多い理由が分かりました。

仕事では限られた時間の中で成果を出すことが求められるため、私は解決策や答えを示すことが重要だと思っていたようです。振り返ると、息子の話を半分も聞かずに意見を言っていました。不安や悩みを抱えている時、人は何よりも自分の状況や気持ちを理解してほしいのであって、その人の力になるには、相手を理解する、寄り添う姿勢が大事だと思いました。

息子との会話から、大切な修行目標を頂きました。相手に寄り添い、気持ちを受けとめる――“目の前の人が何でも話したくなる私”を目指します。